セミナーには人が集まり、「参考になった」という感想も届く。それなのに、個別相談の申込は少なく、新しい案件も増えない。そんなときは、参加者が自社について相談するまでの流れを見直してみましょう。
この記事の結論
セミナーが商談につながらないときは、「自社が解決できる悩みを持つ人が来ているか」「何を相談できるか伝わっているか」「相談したい人と次に話す約束ができているか」を順に見直します。
この記事は、法人向けのサービスを提供し、セミナーから顧客を増やしたい企業に向けた内容です。会場で開くセミナーと、オンラインで開くウェビナーの両方を扱います。ここでいう商談は、参加企業の課題と自社の支援について個別に話す機会を指します。
業種別の企画や連絡文は、考え方を示す例です。自社が実際に提供できる支援に置き換えて読んでください。
セミナーが商談につながらないときは、どこで止まっているかを確認する
最初に、参加した人、個別相談を希望した人、実際に話せた人を分けて確認します。 「商談が少ない」という同じ結果でも、相談の希望がない場合と、希望はあるのに日程が決まらない場合では、直す場所が違います。
次の図は、参加から個別に話すまでの段階を示したものです。全員が次へ進むことを目標にする必要はありません。どこで止まり、その相手が何を希望しているかを確かめます。

この記事では、よくある状態と最初に見直す場所を、実務上次のように整理します。
起きていること | 確認する手がかり | 最初に見直す候補 |
|---|---|---|
人は集まるが、自社に合う相談が少ない | 参加者の仕事や困りごとが、自社の支援と合っているか | 対象者とテーマ |
内容には満足してもらえるが、相談を希望されない | 自社の場合に何を相談できるか、参加者へ伝えているか | 講演内容と相談の案内 |
相談希望はあるが、実際の面談が少ない | 誰が連絡し、何を話すか、日時まで決まっているか | 開催後の対応 |
関心はあるが、すぐには検討しない | 何を知りたいか、いつ検討する予定か聞けているか | その後の情報提供 |
例えば、業務代行の会社が経理セミナーを開き、参加者から「自分で作業するための知識が欲しかった」と言われた場合。業務を任せたい企業が来ていたか、外部へ依頼する判断に役立つ内容だったかを確認します。感想が良かったことだけで、個別相談の希望があるとは判断できません。
一方、相談したいと回答した企業に誰も連絡していなければ、まず担当者を決めて連絡します。テーマや集客先をすべて変える前に、すでにある相談希望へ対応できます。
直近の参加者一覧、アンケート、質問内容、開催後の連絡記録を見比べ、表のどの状態に近いかを確かめましょう。記録が足りなければ、次回は「何に困っているか」「個別に話したいか」を聞けるようにします。
そもそも申込が集まらない場合は、セミナーに人が集まらない原因と見直し方で、告知から申込までを確認してください。
参加者の課題と、自社が受けたい相談を合わせる
参加してほしいのは、自社が支援できる悩みを持つ企業の人です。参加者の業種や役職に加え、何に困り、どんな情報を求めて来たかを確認すると、相談が増えない理由を考えやすくなります。
自社が解決できる課題を持つ人が参加しているか確認する
採用支援会社が「採用の最新動向」をテーマにすると、今すぐ採用したい企業も、勉強のために情報を集める人も参加できます。後者にすぐ採用支援を提案しても、現時点では依頼する理由がないかもしれません。
そこで、「採用予定の職種はあるか」「応募が来ないのか、面接後に辞退されるのか」など、自社が受けたい相談に関わる情報を確かめます。申込時にすべて必須で聞く必要はありません。当日の質問や任意のアンケートでも把握できます。
開発会社なら、「システムに興味がある人」から一歩具体化します。例えば、複数の表計算ファイルへ同じ情報を入力し、担当者が毎月修正に追われている企業です。その会社の業務を知る人に来てもらえば、「どの作業から整理するとよいか」という相談を考えられます。
参加者が決裁者でなくても、その場で対象外と決める必要はありません。実務を担う人なら、業務の問題や社内で誰と相談すべきかを知っています。「社内ではどなたと一緒に検討されますか」と聞き、必要に応じて次の面談への同席を相談します。
テーマは、顧客が依頼する前に迷うことから考える
テーマを見直すときは、普段の商談で顧客から聞かれる質問を振り返ります。「何を依頼すればよいか」「自社で対応できるか」「どこから始めるか」という迷いは、セミナーで説明できる題材になります。
例えば、次のように、参加者の悩みと受けたい相談を並べます。
自社のサービス | 参加者が知りたいことの例 | セミナー後に相談できることの例 |
|---|---|---|
採用支援 | 応募が来ない理由を、募集条件・求人票・募集経路から見分けたい | 自社の求人で何から直すか |
経理の業務代行 | 月末の作業を、社内に残す仕事と外部へ任せる仕事に分けたい | 自社で依頼したい作業の範囲 |
システム開発 | 二重入力を減らすために、業務の整理とシステム化のどちらから始めるか知りたい | 今の作業のどこを仕組みにできるか |
広告運用支援 | 問い合わせは来るが、条件の合わない相談が多い理由を知りたい | 広告で伝える対象者や内容の見直し |
こうしてテーマと相談内容を合わせると、講演の終わりに案内する個別相談も具体的になります。参加者へ伝える内容と、自社が引き受けられる仕事が離れていないかを確認しましょう。
対象となる企業が今の案内先に少ない場合は、自社リスト以外から新しい見込み顧客を集める方法も参考になります。告知先を増やす際も、今回相談してほしい課題を基準に選びます。
講演の学びを、自社について相談する理由につなげる
講演では、参加者が自分の会社の状況を考えられるように説明します。そのうえで、「個別相談では何を一緒に考えられるか」を伝えると、参加者は相談するかどうかを判断できます。
参加者が自社の状況を振り返れる問いや具体例を入れる
「業務を効率化しましょう」と説明するだけでは、自社の何を見直すか分かりません。例えば、経理の業務代行会社なら、次のような問いを講演に入れられます。
- 請求書を作る前に、毎月どの資料を集めていますか。
- 確認する人が不在のとき、止まる作業はありますか。
- ほかの人へ任せたいのに、手順が決まっていない作業はありますか。
続いて、「資料を探す時間が長いなら保管場所をそろえる」「確認する人が不在で止まるなら、代わりに確認する人を決める」と、答えに応じた見直し方を説明します。参加者が、自社にも同じ問題があるかを考えられる内容です。
開発会社なら、受注情報を販売管理と請求管理へそれぞれ入力する流れを例にできます。入力を繰り返している場所を示したうえで、先に作業を整理する場合と、システムで連携する場合の判断材料を伝えます。
一般的な考え方と具体例を十分に説明し、個社ごとの事情が必要なところを個別相談で扱います。「詳しい答えは相談した人にだけ伝える」という内容にせず、講演を聞くだけでも役立つ判断材料を渡しましょう。
個別相談で何を一緒に整理できるかを伝える
最後に「何かあればお問い合わせください」と言うだけでは、参加者は何を聞いてよいか迷います。相談の対象と、その場で扱う内容を短く伝えます。
採用支援会社なら、次のように案内できます。
応募が集まらず、何から直せばよいか迷っている方は、個別にご相談いただけます。募集条件・求人票・募集経路のどこを見直すか、現在の状況を伺いながら一緒に整理します。
経理の業務代行会社なら、「月末の作業のうち、外部へ任せる範囲を相談できます」と伝えます。相談後に有償の支援を提案する場合も、相談そのものの料金や扱う範囲を先に明らかにします。
会場で相談を受けるなら、講演後の時間と場所を案内します。オンラインなら、相談希望を回答するフォームや、日程を申し込む方法を示します。希望者がその場で次の行動を選べることが大切です。
- どんな悩みを持つ人が相談できるか伝えている
- 相談で一緒に考える内容を具体的に伝えている
- 相談にかかる費用と、時間の目安が分かる
- 会場で話す場所、または後日申し込む方法が分かる
まだ検討を始めていない人には、資料の受け取りなど、希望に合う選択肢も用意します。個別相談を申し込むことが、セミナー参加の条件であるかのように案内する必要はありません。
開催後は、相談意向と検討状況に合わせて対応する
開催後の連絡は、参加者が希望する内容に合わせます。「個別に話したい人」には相談の具体化を、「まず情報を知りたい人」には役立つ情報を届けます。 参加したという理由だけで、全員に同じ商談依頼を送らないようにします。

アンケートでは、「今回の内容に関して困っていることはありますか」と聞き、次に希望する対応を選べるようにします。「個別に相談したい」「関連する資料が欲しい」「今後の案内を希望する」「連絡は不要」など、実際に対応できる選択肢を示しましょう。
相談を希望する相手には、話す内容と次の日程を具体化する
個別相談の希望が届いたら、社内で連絡する人を決めます。アンケートに書かれた悩みや、会場で出た質問を担当者へ渡し、次に何を話すかが分かる連絡をします。
例えば、開発会社のセミナーで「受注後の二重入力を減らしたい」と相談希望があった場合の文面です。
セミナーへのご参加と、個別相談のお申し込みをありがとうございます。アンケートにご記入いただいた「受注後の二重入力」について、現在の作業を伺い、どこから見直すかを一緒に考えられればと思います。来週の火曜午前か木曜午後に、お話しできる時間はありますか。難しければ、ご都合のよい日時をお知らせください。
実際の連絡では、自社が対応できる候補日時を具体的に示します。相手が書いていない悩みを推測して、聞いた事実のように書かないようにします。
少人数の会社なら、一覧表に「相談したい内容・担当者・連絡予定日・次の約束」を残すだけでも、対応漏れを確認できます。開催前に連絡担当を決め、当日受けた相談も同じ場所へ記録すると引き継ぎやすくなります。
情報収集段階の相手には、関心に合う情報と次の接点を届ける
「今すぐ頼む予定はないが、来期に見直したい」という相手には、判断に必要な情報と次の連絡時期を相談します。
例えば、広告運用支援会社のセミナーで、参加者が「来期の予算を決める前に、広告の見直し方を知りたい」と答えた場合。すぐに運用契約を提案するよりも、広告の目的と対象者を整理する資料を届け、予算を考える時期に再度連絡してよいか確かめます。
来期の見直しに向けた資料をご希望とのことでしたので、広告の目的と対象者を整理するチェックシートをお送りします。予算を検討される頃に、あらためて状況を伺ってもよろしいでしょうか。
この文面は、自社でその資料を用意できる場合の例です。連絡の希望が分からない人には希望を確認し、不要と答えた人への個別営業は控えます。
開催後は、相談を申し込んだ人数だけでなく、実際に話せた人数と、まだ話せていない理由を残します。例えば「日程調整中」「来期に検討」「知りたい内容が自社の支援範囲外だった」では、次の対応が変わります。
次回を改善するときは、次の順に記録を見返します。
- 参加人数・相談希望人数・相談実施人数を、開催回ごとに分けて確認する。
- 進まなかった相手について、課題のずれ、案内不足、連絡漏れ、検討時期など、確認できた理由を整理する。
- 次回に直す点を一つ決め、同じ期間が経った時点で相談の希望や実施状況を比べる。
相談希望はあるのに面談できていないなら、連絡と日程調整を見直します。支援範囲外の相談が多いなら、対象者とテーマを見直します。開催直後と数か月後の結果をそのまま比べず、開催から同じ期間が経った時点で確かめましょう。
参加人数が違う回は、人数だけでなく、参加者の何割が相談を希望し、実際に話せたかも比べます。
顧客の課題を知る企業との共催で、相談につながる企画をつくる
対象者やテーマを見直したいときは、顧客の悩みを普段から聞いている企業と、一緒にセミナーを作る方法もあります。複数の企業が共同で開催することを「共催」といいます。
自社で参加者の課題を把握でき、連絡方法に改善点があるなら、まずその対応を直します。一方、受けたい相談に合う顧客と出会えていない、どんな内容ならその顧客に役立つか分からない場合は、相手企業の知見を企画に生かせます。
対象顧客から相談を受けている企業と、テーマを具体化する
共催相手を考えるときは、自社が支援したい企業から、関連する相談を受けている会社を探します。打ち合わせでは「その顧客は最近何に困っているか」「どのような質問を受けるか」を聞きます。
例えば、採用支援会社と社労士なら、「採用しても早期に辞めてしまい、募集を繰り返している企業」向けの企画が考えられます。社労士が顧客から聞く入社後の受け入れの悩みと、採用支援会社が扱う募集時の伝え方を持ち寄る形です。
「採用の話をそれぞれする」という企画から、「応募時に伝えることと、入社後に整えることを確認できる」という内容へ具体化できます。これは組み合わせの例であり、実際には両社の専門分野と顧客の状況を確かめて決めます。
双方の専門性を組み合わせ、相談できることを明確にする
共催の内容を決めるときは、講演の担当に加え、どんな相談をどちらの会社が受けるかも合わせます。
先ほどの企画なら、求人票や募集経路の見直しは採用支援会社へ、入社後の労務管理や職場のルールに関する相談は社労士へ、と説明できます。両方に関係する悩みは、参加者の希望を聞いて相談の進め方を決めます。
対面開催なら、講演後に登壇者へ質問できる時間を用意できます。質問から自社の具体的な悩みへ話が進んだときは、その場で答える範囲と、後日あらためて話す内容を確認します。オンラインでも、質問の受付や個別相談の申込先を分かりやすく案内します。
対面での進め方は、リアルの共催セミナーで顧客獲得につなげる方法で詳しく紹介しています。
こうした企画を考えても、相性のよい相手を探し、打ち合わせをして、内容と集客を整えるところまで自社だけでは進めにくいことがあります。その準備をコンサルタントと一緒に進められるのが、SparkLaboです。
SparkLaboなら、顧客獲得につながる共催を相手探しから一緒に進められる
SparkLaboは、企業同士の紹介や協業を通じた顧客獲得を支援するサービスです。リアルの共催セミナーでは、相手探し・打ち合わせ・内容決め・集客をコンサルタントが支援するため、基本的には登壇に集中できます。 自社の専門性を伝え、参加者の課題を聞くことに力を注げます。
例えば「採用の専門知識はあるが、どんな企業と組めば顧客の相談に答えられるか分からない」という段階でも、現在の状況や希望を伺い、候補を考えるところから一緒に進められます。
自社だけでは進めにくいこと | SparkLaboの支援 |
|---|---|
顧客の課題に合う共催相手を探す | コンサルタントが共催すべき相手につなぐ |
相手との話を進める | 実際の打ち合わせにも同席する |
何を伝えるセミナーにするか決める | テーマや内容を一緒に決める |
企画を参加者へ届ける | 集客も支援する |
SparkLaboは5,000社以上との直接接点を、相性のよい協業候補の探索に生かしています。自社の知人だけでは見つけにくい相手との接点づくりに加え、紹介後の企画と集客まで支援を受けられます。
実際に、SparkLaboのお客さまの中には、リアルのセミナー共催を通じて新たな案件や顧客を獲得している方が多くいらっしゃいます。 共催相手を通じて顧客と出会い、自社の専門性を知ってもらう機会を、案件獲得へつなげています。
オンライン開催を考える企業には、共催ウェビナーの企画・集客・告知画像などの制作・申込ページ制作の支援もあります。希望する開催形式と、自社で担える仕事に合わせて相談できます。
「セミナーは開いているが、思うような相談につながらない」「次の企画をどう変えればよいか迷っている」。その段階から、今の悩みをお聞かせください。共催相手やテーマが決まっていなくても、コンサルタントが話を伺い、誰に何を届け、どんな相手と進めるかをゼロから一緒に整理します。

