パートナーセールスの顧客事例10選|中小BtoB企業の課題・施策・成果を比較

営業・財務・経営コンサル、人材紹介、開発など10件の顧客事例を比較。半年で5件成約、1年で確定売上約800万円などの成果と、紹介・協業を進める相手の選び方を解説します。

目次

「知人からの紹介だけでは、新しい案件が増えない」「他社と組むと、実際にどんな成果が出るのか」。その判断材料として、SparkLaboが支援した10件の顧客事例を紹介します。

パートナーセールスとは、他社や紹介者の顧客接点を通じて、紹介・共同提案・販売連携で案件を作る営業手法です。販売代理店に商品を売ってもらう形に加え、顧客の困りごとを先に聞く企業と協力する形もあります。

この記事の結論

SparkLaboの紹介・協業支援では、財務コンサルティング企業が半年で5件成約し、経営コンサルティング企業が紹介案件から1年間で確定売上約800万円を得ています。協業先から顧客を紹介された例と、紹介相手自身が顧客になった例を分け、10件の課題・接点・成果を比較します。自社の顧客が誰にどんな相談をするかを考えると、次に会うべき相手が見えてきます。

10件の顧客事例を課題・期間・成果で比較する

まずは、導入前の課題と成果を一覧で見てみましょう。金額の大きさだけで選ばず、自社と近い営業の悩みがある事例から読むと、協業先を考えやすくなります。

業種

導入前の課題

期間

契約・売上の成果

営業コンサルティング

紹介営業をさらに仕組み化したい

4か月

成約売上300万円

人材紹介・採用代行

前職のつながりに依存している

3か月

3件契約、実売上360万円

システム開発

既存紹介以外の案件獲得が弱い

5か月

開発2件・保守1件、見込売上450万円

事務代行・オンラインアシスタント

SNSと知人紹介から効率よく商談を作りたい

3か月

月額10万円×2件、年換算売上240万円

社労士事務所

新規案件を継続して開拓できない

4か月

スポット2件・顧問1件、初年度見込売上180万円

マーケティング支援

競合との価格比較になりやすい

3か月以内

月額30万円×1件、年換算売上360万円

営業支援

業界や商材によって案件獲得が変動する

4か月

月額25万円×2件、年換算売上600万円

小売マーケティング

テレアポとDMの反応が低い

2か月

月額8万円×3件、年換算売上288万円

財務・資金調達コンサルティング

交流会で漠然と会うだけでは仕事につながりにくい

半年

5件成約

経営コンサルティング

既存の紹介に加えて顧客層を広げたい

1年間

紹介案件から確定売上約800万円

表の期間はそれぞれの事例の経過期間です。業種、契約単価、売上の集計方法が異なるため、短さや金額をそのまま自社の目標にするより、次の協業先との組み合わせを参考にしてください。

各事例では、どんな接点から案件を作ったか

SparkLaboでは、顧客の相談を受ける協業先や経営者との接点を広げています。協業先から別の顧客を紹介されるほか、紹介された相手自身が顧客になる場合もあります。各事例で、誰と会い、どの経路で案件につながったかを見ていきます。

事例1 営業コンサルティング企業

紹介を中心に成長してきたものの、紹介営業をさらに仕組み化したいと考えていた企業です。SparkLaboでは、同規模の経営者の紹介、営業支援会社との協業、消費者との接点を持つ企業の紹介を提案しました。

同規模の経営者や営業支援会社との協業を通じて、4か月で成約売上300万円につながりました。すでに紹介がある企業でも、新しい相手との協業を通じて案件を増やせた事例です。

事例2 人材紹介・採用代行企業

人材紹介とRPO(企業の採用業務を代行するサービス)を提供し、前職のつながりを中心に案件を得ていた企業です。新規開拓を継続して行う仕組みが課題でした。

物流・リユース・クリニックなどの接点や、LINE導入支援会社とのつながりを広げ、顧客を紹介してもらう仕組みを設計しました。結果は3か月で3件契約、実売上360万円。前職の人脈の外に、案件につながる接点を作れた点が特徴です。

事例3 システム開発企業

既存の紹介に依存し、新しい案件を獲得する仕組みが不足していた企業です。協業先として、企業のデジタル化を支援するDXコンサルティング会社、補助金支援会社、Web・マーケティング会社、士業や業務代行会社を提案しました。

取り組みを通じて、5か月で開発2件・保守1件、見込売上450万円につながりました。開発案件に加え、システムを継続して支える保守契約も生まれています。

事例4 事務代行・オンラインアシスタント企業

BPO(業務を外部から請け負うサービス)やオンラインアシスタントを提供し、SNSと知人紹介を中心に営業していた企業です。効率よく商談を作ることが課題でした。

士業、補助金・経営コンサルティング会社、採用・人事支援会社、成長企業の経営者との接点を提案しました。3か月で月額10万円の契約2件、年換算売上240万円の成果です。業務を外部へ任せたい企業との接点が、継続契約につながりました。

事例5 社労士事務所

紹介を中心に成長してきた一方、新規案件の獲得を繰り返せる状態にはできていなかった社労士事務所です。採用支援会社、組織開発・研修会社、成長企業とつながりのある相手との連携を提案しました。

4か月でスポット契約2件・顧問契約1件、初年度見込売上180万円につながりました。単発の相談を受けるルートと、継続して支援する顧問契約の両方を作れた事例です。

事例6 マーケティング支援企業

競合が多く、価格で比較されやすかったため、新たな案件獲得経路を求めていた企業です。Web制作・システム開発会社、補助金・営業支援会社、EC・美容・小売の顧客接点を持つ相手との協業を提案しました。

協業経由で、3か月以内に月額30万円の契約1件、年換算売上360万円を実現しています。自社だけで新規顧客へ売り込む以外に、相手の信頼関係を通じてサービスを提案する経路を作れました。

事例7 営業支援企業

業界や商材によって成果が変動し、安定した案件獲得が必要だった企業です。マーケティング支援会社、クラウドサービスやシステム開発を手がける会社、新規事業を持つ経営者との接点を提案しました。

4か月で月額25万円の契約2件、年換算売上600万円の成果につながりました。周辺サービスを提供する企業との連携から、新しい継続案件を獲得できています。

事例8 小売マーケティング企業

テレアポとDMの反応が低く、既存の紹介に加えて商談を獲得する方法を探していた企業です。士業との連携、小売支援会社との協業、経営者交流会の主催者との接点を提案しました。

2か月で月額8万円の契約3件、年換算売上288万円につながりました。小売企業とすでに関係を持つ相手を通じ、電話やDMとは別の商談経路を作った事例です。

事例9 財務・資金調達コンサルティング企業

SparkLaboでの紹介・協業から、半年で5件の成約につながった企業です。以前は複数の交流会やランチ会に参加しても、漠然と会うだけでは仕事の話になりにくいと感じていました。

紹介元となったのは、採用、組織再編、経営コンサルティングなど、顧客企業の内部事情を知る協業先です。資金調達や財務の話題が出たら相談をつなぐ、という紹介のきっかけを共有していました。SparkLaboの担当者とも月1回、30分から1時間の面談で前回の紹介を振り返り、その時点で会いたい業種や相手を確認していました。

顧問契約につながった案件もあります。通常は単発の資金調達支援を経て月額顧問へ進むことが多い中、1対1でも話していた経営者からの紹介では、ほぼ即決で顧問契約になりました。この契約は、取材時点で約半年続いていました。

事例10 経営コンサルティング企業

SparkLaboを通じた紹介案件から、1年間で確定売上約800万円を得た企業です。参加前から紹介で顧客を獲得していましたが、より規模の大きい企業とも接点を持ち、顧客層を広げたいと考えていました。

経営者が集まる会に加え、担当者が特性を見て紹介した相手と1対1で面談していました。個別には、紹介された経営コンサルタントと話す中で、無形商材の売上を伸ばす支援との相性が合い、相手自身が顧客になった案件もあります。約800万円は、こうした紹介案件による1年間の合計です。

協業先に別の顧客を紹介してもらう経路と、紹介された相手の課題を自社が解決する経路は異なります。相手の顧客層だけでなく、相手自身が何に困っているかを聞くことも、新しい案件を見つける手がかりになります。

自社に近い事例から、最初の取り組みを決める

ここからは、10件を自社の行動へ移すための整理です。事例の売上額を目標として写す前に、「いまの営業のどこを変えたいか」と「顧客の相談を先に聞くのは誰か」を決めます。

業種より、営業の課題と顧客接点を合わせる

たとえば前職の知人からしか案件が来ないなら、業種が違っても人材紹介・採用代行の事例が参考になります。価格比較が課題なら、マーケティング支援の事例から、顧客と信頼関係を持つ相手を通じて提案する方法を考えられます。

そのうえで、自社のサービスが必要になる直前に、顧客が何を相談しているかを書き出します。開発会社なら「業務を整理したい」、事務代行会社なら「人が増えて手続きが追いつかない」といった相談です。その話を聞く企業が、協業先の候補になります。

一方、自社が得意な顧客や提供範囲を説明できない場合は、先に整理が必要です。相手に「どんな会社へ勧めればよいか」が伝わらないまま候補だけ増やしても、具体的な紹介を頼めません。導入そのものに迷う場合は、パートナーセールスのメリット・デメリットと向いている企業も判断材料になります。

候補と相談場面を確かめ、一つの取り組みを試す

最初は、一社の候補と一つの顧客課題に絞ると、うまく進んだ点と止まった点を確かめやすくなります。次の順番は、この記事で提案する進め方です。

  1. 増やしたい顧客と、その顧客が困っている場面を一文にする。
  2. その相談を先に聞く企業を選び、実際に似た相談があるか面談で確かめる。
  3. 紹介か共同提案かを決め、相手が説明する内容と自社が引き継ぐ内容を分ける。
  4. 次に試す相手・担当者・実施日を決め、紹介時には顧客の意向も確認する。
  5. 振り返り日を置き、相談が見つかったか、商談へ進んだか、どちらに負担が集中したかを確認する。

たとえば事務代行会社と採用支援会社が組むなら、「採用後の事務が増えている企業に、業務の切り出し方を一緒に提案する」という試し方が考えられます。これは上記顧客事例の実施内容ではなく、自社へ応用するための例です。

数字に加えて、利用した経営者が関係づくりをどう感じたかも知りたい方は、メイク・ザ・フューチャー 冨田様のインタビューとTKパートナーズ 小佐井様のインタビューをご覧ください。

SparkLaboは、紹介・協業の候補を探し、相手と何を実行するかを決め、取り組みを続けるための支援を行っています。10件の中で自社に近い課題が見つかったら、次は「どの業種の、どんな相談を受ける相手と組みたいか」を具体化する段階です。

執筆者

樫根 久澄のプロフィール写真

樫根 久澄

株式会社SparkNow 代表取締役CEO/SparkLabo運営

早稲田大学政治経済学部卒業。双日株式会社でファイナンス業務に従事後、エンジニアに転身し、システム開発会社の海外拠点代表を務める。2022年にオンライン診療スタートアップを創業し、売却を経験。

BtoB事業の顧客開拓のため、30の経営者コミュニティに入会・参加し、経営者交流会には1,000回以上参加。20以上のアポイント獲得サービスを利用し、累計2万枚のデジタル名刺を自ら配布。こうした実践を通じて、出会いを継続的な案件獲得につなげる難しさを実感し、企業同士の紹介・協業を通じたパートナーセールスを支援する「SparkLabo」を立ち上げる。SparkLaboでは、経営者交流会・会食の開催・共催を100回以上重ねている。