新しい顧客を増やしたい。でも、広告費を増やす余裕はなく、社長自身が営業できる時間にも限りがある。こうしたときに検討したいのが、他社と紹介や共同提案で協力して顧客を増やす「パートナーセールス」です。
すでに顧客との関係を持つ会社と組めば、自社から直接営業する場合とは違うきっかけで商談を作れます。では、その違いがなぜ成果につながるのでしょうか。
この記事の結論
パートナーセールスは、他社の顧客接点や信頼を通じて自社だけでは会いにくい相手へ提案できるため、説明や信頼が購入判断に影響するBtoB企業に有効です。
パートナーセールスが新規開拓に有効な理由
この記事では、パートナーセールスのメリットを、接点、信頼、提案のタイミング、提案できる範囲という四つの変化から整理します。どこが変わると自社の営業が進みやすくなるかを考えると、取り組む意味が見えてきます。
自社では会えなかった顧客に届く
自社の知人や既存顧客だけに営業していると、接点を持てる相手は限られます。一方、協業先には、自社がまだ知らない取引先や、継続して相談を受けている顧客がいます。その接点を通じて、自社だけでは届かなかった企業にサービスを知ってもらえます。
方法は、一社ずつ紹介してもらう形だけではありません。共同でセミナーを開いたり、協業先から顧客へ役立つ情報を案内してもらったりする形もあります。相手が誰と接点を持ち、どのような情報を届けられるかによって、使える方法は変わります。
重要なのは、相手の知人数よりも、自社が役に立てる顧客と接点を持っているかです。たくさん紹介を受けても、顧客の課題と自社のサービスが合わなければ商談は進みません。
信頼できる相手からの紹介が、最初の相談を後押しする
初めて連絡してきた会社へ、自社の経営や業務の悩みを話すのは簡単ではありません。サービスに関心があっても、任せてよい会社なのか分からなければ、面談に踏み切れないことがあります。
普段から相談している取引先が、課題に合う会社として紹介すれば、話を聞く理由ができます。紹介者がなぜその会社を勧めるのか説明できるほど、顧客も相談内容をイメージしやすくなります。
これは、紹介だけで購入が決まるという意味ではありません。紹介によって最初の会話が始まりやすくなり、その後は自社の提案や実績、対応を見て判断してもらう流れです。特に、購入前に品質を確かめにくいコンサルティングや受託サービスでは、この入口の違いが重要になります。
顧客が困ったタイミングで提案できる
営業が進まない理由には、相手に必要性がない場合だけでなく、提案する時期が合っていない場合もあります。日常的に顧客を支援している会社は、外からは見えにくい変化に気づけます。
例えば、業務の一部を代行している会社が、顧客から「新しいシステムを入れたが、担当者が使いこなせない」と相談を受ける場面を考えてみてください。その会社が操作研修まで対応できなくても、研修を提供する企業と連携していれば、顧客が困っている時点で専門家へつなげられます。
このように、課題に気づく相手と、解決できる自社がつながると、必要なときに提案を届ける機会が生まれます。事前に共有するべきなのは会社案内だけでなく、「どんな困りごとが出たら相談してほしいか」です。
他社の強みを組み合わせ、顧客が導入しやすい提案を作れる
顧客が求めているのは、商品を買うことの先にある課題の解決です。自社の提供範囲だけでは、導入後の運用や周辺業務まで支えきれないことがあります。
先ほどの例なら、業務を代行する会社と研修会社が連携することで、日々の作業を支えながら、顧客の担当者がシステムを使える状態を目指せます。それぞれの得意分野を組み合わせることで、顧客は必要な支援を検討しやすくなります。
ただし、説明する担当や対応範囲が曖昧だと、顧客は誰へ相談すればよいか分からなくなります。共同提案では、両社が何を担当するのかを先に揃えておく必要があります。
メリットを成果につなげるための条件とデメリット
顧客接点や信頼は、提携しただけで自由に使えるものではありません。相手が安心して自社を紹介でき、紹介後も協力を続けたいと思える関係が必要です。
相手企業とその顧客にも利益がある関係を作る
自社が欲しい案件だけを伝えても、相手が動く理由は十分ではありません。相手にとって、自分では対応できなかった相談を解決できる、既存サービスの価値が高まる、新しい収益につながる、といった利点が必要です。
必ずしも同じ件数の顧客を紹介し合う必要はありません。例えば、顧客の専門的な相談に自社が対応できれば、協業先はその顧客を支える範囲を広げられます。顧客も適切な支援先を探す手間を減らせます。
相手が大切な顧客を紹介する以上、自社の対応品質も見られます。紹介された理由を確認し、対応できる範囲を説明し、顧客の意向に沿って進めることが、次の協力につながります。
立ち上げと継続対応に時間と費用がかかる
パートナーセールスには、候補探し、サービスの説明、役割分担、紹介後の対応、振り返りが必要です。紹介料や共同企画の費用が発生する場合もあり、自社の営業担当を増やさなくても、社内の対応工数までなくなるわけではありません。
さらに、協業先は自社の営業部員ではないため、自社案件を優先するよう指示できません。相手の状況や顧客のニーズによって案件が生まれる時期も変わります。一社に頼りきると、その会社の担当変更や方針変更の影響を受けます。
導入を判断するときは、受注額だけでなく、紹介料、共同施策の費用、自社の対応工数を含めて利益が残るかを見ます。広告や直接営業を続けながら、少数の協業先で相性を確かめる進め方が現実的です。営業人員の採用や外注も含めて判断したい場合は、営業採用・営業代行・パートナー施策の比較も参考になります。
パートナーセールスが向いている企業
特に向いているのは、提案内容の説明や相手からの信頼が購入判断に影響するBtoB企業です。コンサルティング、開発、採用支援、業務代行、研修などでも、次の条件が揃っているかによって取り組みやすさは変わります。
判断軸 | 向いている状態 | 先に準備したい状態 |
|---|---|---|
顧客の課題 | 誰のどんな悩みを解決するか説明できる | 対象が広すぎて紹介してほしい相手が定まっていない |
商材の選ばれ方 | 説明、実績、信頼が比較の判断材料になる | 自社の価値を説明できず、価格の話だけになっている |
協業の理由 | 顧客層が重なり、提供範囲を補い合える会社がある | 相手に紹介してもらいたい理由しか考えられていない |
受け入れ体制 | 紹介後の提案・提供と、協業先への連絡を担当できる | 紹介が来ても返答やサービス提供が追いつかない |
成果までの時間 | 既存の営業を続けながら、関係と施策を育てられる | 今月の商談数を一定数確保することだけが目的になっている |
営業部門が小さい会社でも、顧客への提案と協業先との連絡を担う人がいれば検討できます。高単価の商材も、一件の受注から得られる利益で関係づくりの工数を回収しやすい点で候補になります。ただし、単価だけで決めず、継続対応の費用まで含めて判断してください。
右列に当てはまる場合は、その項目を整えるのが先です。例えば対象顧客が曖昧なら、過去に成果を出せた顧客に共通する課題を整理します。相手への利点が見えなければ、自社が補えるサービスや専門性を洗い出します。
パートナーセールスで成果につながった顧客事例
SparkLaboの支援では、パートナーとの接点づくりが新しい契約につながった事例があります。ここでは、既存人脈の外へ広げた例と、価格比較に悩んでいた企業の例を紹介します。
人材紹介・採用代行企業で、3か月で3件の契約と売上360万円
前職のつながりを中心に営業していた人材紹介・採用代行企業では、新規開拓の仕組みを作ることが課題でした。SparkLaboでは、物流・クリニックなどとの接点や、LINE導入を支援する企業との協力、紹介の流れづくりを提案しました。
この事例では、3か月で3件の契約、売上360万円につながっています。代表の過去の人脈だけで接点を増やす営業から、別の企業を通じて新しい顧客と出会う営業へ広げた例です。
マーケティング支援企業で、3か月以内に月額30万円の契約
競合が多く価格比較になりやすかったマーケティング支援企業では、新しい顧客との出会い方を作る必要がありました。SparkLaboでは、Web・システム開発会社、補助金・営業支援などとの協業を提案しました。
その後、3か月以内に月額30万円の契約を1件獲得しています。自社のサービスを必要とする顧客との接点を、補完関係にある会社へ広げた事例です。
この二つの事例を自社に当てはめるときは、業種の一致だけでなく、どの課題を抱えた顧客と、どんな会社を介して出会えるかを見てください。他の業種や取り組みも確認したい場合は、パートナーセールスの顧客事例8選で比較できます。
自社に合う協業先を考えるところから始める
最初に整理したいのは、自社の顧客が困ったとき、誰に相談しているかです。次の順に考えると、協力を打診する相手と、話す内容を具体化できます。
- 自社が得意な顧客課題を一つ選ぶ。「業務改善」のような広い言葉から、「新しいシステムを入れたが現場で使われていない」のような相談内容まで具体化します。
- その悩みを先に聞く会社を挙げる。顧客の業務を代行する会社や、周辺サービスを提供する会社など、日常的に接している相手を考えます。
- 相手と顧客に返せる価値を整理する。自社がどこを補えば顧客の課題が解決し、相手の支援や事業にも役立つかを説明できるようにします。
そのうえで候補の一社と話し、実際にその相談を受けるか、紹介や共同提案に取り組む余地があるかを確認します。社内の担当者と使える時間を決め、小さく試した結果をもとに、相手や施策を調整していきます。
ここまで整理しても、相性のよい会社と出会えない、紹介の話は出るが具体的な施策へ進まない、日々の営業が忙しく継続できないという壁が残ることがあります。
SparkLaboは、その相手探しから施策の実行・改善までを支援するサービスです。 5,000社以上との直接接点を土台に、自社と相性のよいパートナー候補を探索・紹介します。候補紹介の目安は月2〜5社で、一緒に案件獲得に取り組む企業との出会いを継続して作れます。
紹介に加え、共催ウェビナーや、お互いの顧客へ役立つ情報を届けるメール相互配信などを設計・運用し、月次で振り返りと改善を行います。出会った相手と何に取り組むかまで進められることが、SparkLaboを使う価値です。

