経営者交流会の後、誰と2回目に会う?優先基準と誘い方

経営者交流会の後、誰ともう一度会うかを、話題・相手の関心・自社にできることから判断。会う・一問確認する・見送るの比較と、面談の誘い方・断り方の文面例を示します。

目次

経営者交流会で名刺を交換すると、「一度ゆっくりお話ししましょう」という誘いが増えます。全員と会う時間はない。でも、断って仕事の機会を逃すのも気になる。そんなときは、会場で何を話したかを手掛かりに、次に会う相手を選びます。

この記事の結論

経営者交流会の後は、続きを話したいテーマがあり、相手も関心を示し、自社から渡せる情報や支援がある人を優先して2回目に誘います。判断材料が足りない人には先に一問だけ確認し、目的や時期が合わない人との面談は見送ります。

ここでいう2回目は、交流会で出会った相手と、後日1対1で話す個別面談のことです。新しい案件や紹介につなげたい経営者向けに、相手を選ぶところから面談を依頼するところまでを整理します。

2回目に会う相手は話題・相手の関心・自社にできることから選ぶ

まず、相手の名前の横に「もう一度何を話したいか」を書いてみてください。その話題に相手も関心があり、こちらから役立つ情報や支援を出せるなら、面談を依頼する理由があります。

SparkLaboには100回以上の経営者交流会を開催してきた経験があります。場を運営する側の知見も踏まえ、この記事では、名刺一覧から会う人を選ぶための判断を次の三つに整理します。

会場で聞いた話から話題を一つ決められる

「営業の話をしたい」では広いため、相手が口にした困りごとまで戻ります。たとえば「問い合わせはあるが、代表が対応しきれないと話していた」なら、「どの対応に時間がかかっているか聞きたい」と面談の目的を決められます。

会社の規模や肩書は、話題が見つかった後の判断材料です。有名な会社の経営者でも、今の自社と何を話せるか分からなければ、いきなり長い面談を入れずに事業内容を調べます。

相手も続きを話すことに関心がある

会場で質問が返ってきた、関連する資料を見たいと言われた、後日相談したい話題が出た。このような反応があれば、面談を誘う理由にできます。

一方、「ぜひまた」は挨拶として使われることもあります。それだけで商談を望んでいるとは決めず、「先ほどの○○について、続きをお話しする機会は必要そうでしょうか」と確かめます。相手が忙しくても、関心があるなら時期や方法を相談できます。

自社から渡せる情報や支援がある

相手にとって、時間を使う意味があるかも考えます。似た課題への対応例、実務で使える資料、自社で手伝える作業など、面談で持ち帰ってもらえるものを一つ挙げます。

今すぐ誰かを紹介できる必要はありません。たとえば、採用支援会社なら「求人を出す前に整理しておく項目を共有できる」、Web制作会社なら「サイト改修の前に確認したい点を説明できる」と伝えられます。提供できるものを実際より大きく約束せず、自分が話せる範囲で十分です。

紹介してくれる人と一緒に仕事ができる人も候補に残す

相手自身が自社のサービスを必要としていなくても、会う理由はあります。自社の顧客になりそうな企業と日頃から話している人や、自社と組むことで顧客を支援できる人にも目を向けます。

紹介先の困りごとを聞く立場にいる人

自社の見込み顧客と接点を持ち、困りごとを聞いたときに適した支援先を紹介できる人です。この記事では、こうした相手を「紹介者候補」と呼びます。

たとえば採用支援会社にとって、顧問先から人手不足の相談を受ける社労士は候補になります。ただし、職業だけでは判断できません。交流会で「採用の相談が増えているが、求人の運用までは対応していない」と聞けたなら、どんな相談に対応できるかを次に話す理由があります。

人脈の数だけで選ぶと、自社の支援を必要とする人に出会えるかが分かりません。相手が、誰から、どんな相談を受けているかを手掛かりにします。

自社と違う得意分野を持つ人

同じ顧客を、違う仕事で支えられる相手です。たとえば、Web制作会社と広告運用会社なら、サイトを作る仕事と、そのサイトへ人を集める仕事を分担できます。このように一緒に顧客を支援することを「協業」と呼びます。

2回目に誘う段階では、「互いのサービスを一つにまとめたい」まで決める必要はありません。「サイト公開後の集客相談は、今どう対応していますか」と、仕事がつながる部分を確かめられれば候補に残せます。

SparkLaboの顧客事例では、既存の紹介に依存していたシステム開発企業が、デジタル化の相談に乗る会社、補助金・Web・マーケティングの支援会社、士業、業務の代行会社などへ協業先を広げ、5か月で開発2件と保守1件、見込売上450万円を作りました。自社に直接発注する会社だけでなく、顧客の別の課題を支えている会社へ目を向ける意味が分かる事例です。

迷った相手は会う・先に一問聞く・今回は見送るに分ける

すぐに全員の優先順位を決めなくても、次に取る行動は分けられます。会場での会話とその後の返信を見て、次の表に当てはめてください。

判断

手元にある判断材料

次の行動

面談に誘う

続きを話すテーマがあり、相手も関心を示している。自社が役立てることもある

話す内容と所要時間を伝えて日程を相談する

先に一問聞く

仕事の接点はありそうだが、相手の課題・関心・時期のいずれかが分からない

足りない点をメール等で確認し、返答から面談の必要性を判断する

今回は見送る

話したいテーマがない、相手の関心がない、または目的・時期が合わない

面談は入れず、必要なら今後連絡するきっかけをメモする

「先に一問聞く」なら、たとえば「交流会で伺った採用の件は、今期中に進めたいお話でしょうか。それとも今は情報収集の段階でしょうか」と送れます。返事をもらうための口実ではなく、今会うべきかを決めるための質問にします。

面談に誘いたい相手が多いときは、先に今月使える面談時間を決めます。そのうえで、納期や募集開始などの期限がある相手、互いに話したい内容が決まっている相手から予定を相談します。急ぎの案件だけで時間が埋まるなら、紹介・協業相手と話す時間も別に確保します。

迷いが残る相手は、名刺の裏や管理メモに「まだ分からないこと」を書いておけば十分です。「人脈が広そう」のような印象だけで予定を埋めることを避けられます。

面談の誘い方は話題・持ち帰れること・所要時間を短く伝える

誘うときは、交流会で話した内容、もう一度話したいこと、相手に渡せるものを短く伝えます。「一度情報交換を」だけで誘うより、相手が会う必要性を判断しやすくなります。

以下は自社に合わせて書き換えるための依頼文例です。面談時間も一例なので、相談の内容に応じて調整してください。

相談の続きを聞きたい相手への文面

先日の交流会ではありがとうございました。問い合わせ対応に代表のお時間がかかっていると伺った件で、もう少し状況をお聞きできればと思い、ご連絡しました。当社で対応できる業務と、社内に残した方がよい業務を一緒に整理できればと考えています。20〜30分ほどオンラインでお話しすることにご関心はありますか。

相談を聞く段階では、いきなり見積もりや契約を前提にしません。相手が前向きなら、都合のよい時間帯と会議方法を確認します。こちらから日程候補を出す場合も、相手が選べる形にします。

紹介や協業を話したい相手への文面

先日の交流会で、Webサイト公開後の集客相談が多いと伺った件が印象に残っています。当社は広告運用を支援しているので、御社で対応されている範囲と、外部へ相談したい内容を一度すり合わせできればと思いました。当社からも、制作の相談が出る場面を共有できます。まず30分ほどお話しできればと思いますが、いかがでしょうか。

この段階では「顧客を紹介してください」と頼むより、互いにどの仕事を受けられるかを知ることが先です。会う相手が決まった後の質問や進行は、経営者交流会後の個別面談で話すことで具体的に確認できます。

今は会わない相手には理由と今後の接点を短く伝える

面談を断るときは、今の判断を率直に伝えます。将来会う意思がないのに「落ち着いたら必ず」と約束する必要はありません。

今は話すテーマがないとき

具体的な相談がなく、会っても会社紹介の繰り返しになりそうなら、次のように伝えられます。

お声がけありがとうございます。現時点で個別に相談したいテーマがないため、今回は面談を見送らせてください。交流会で伺った○○のお話は参考になりました。また関連する機会がありましたら、お話しできれば幸いです。

今後の接点を残したい場合は、「次の交流会でまた話す」「事業の開始時期が近づいたら連絡する」など、自分が覚えておけるきっかけをメモします。面談を設定しなくても、共通の話題があるときに連絡できます。

相手の提案が目的と違うとき

相手がサービスの販売を目的としており、こちらに購入予定も協業の接点もない場合は、必要がないことを伝えます。

ご案内ありがとうございます。今回は○○の導入を検討していないため、説明のお時間はいただかずに見送ります。お声がけいただきありがとうございました。

「協業の話か、サービスの案内か」が分からない場合は、断る前に面談の議題を確認すれば判断できます。面談を引き受けることだけを、関係を大切にする方法にしなくてかまいません。

まず手元の名刺から、話の続きを聞きたい相手を一人選び、「話題・相手の関心・こちらから渡せるもの」を書いてみてください。書けない項目があるなら、その点を一問確認するところから始めます。お礼連絡から継続的な接点管理まで整理したい場合は、経営者交流会後のフォローを案件につなげる方法も参考になります。

執筆者

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樫根 久澄

株式会社SparkNow 代表取締役CEO/SparkLabo運営

早稲田大学政治経済学部卒業。双日株式会社でファイナンス業務に従事後、エンジニアに転身し、システム開発会社の海外拠点代表を務める。2022年にオンライン診療スタートアップを創業し、売却を経験。

BtoB事業の顧客開拓のため、30の経営者コミュニティに入会・参加し、経営者交流会には1,000回以上参加。20以上のアポイント獲得サービスを利用し、累計2万枚のデジタル名刺を自ら配布。こうした実践を通じて、出会いを継続的な案件獲得につなげる難しさを実感し、企業同士の紹介・協業を通じたパートナーセールスを支援する「SparkLabo」を立ち上げる。SparkLaboでは、経営者交流会・会食の開催・共催を100回以上重ねている。