経営者交流会で成果が出ない原因|案件につながらないときの診断と改善

名刺交換、お礼、個別面談のどこで止まっているかによって、直す行動は変わります。交流会が案件につながらない原因を切り分け、次回の改善と継続・休止を判断する方法を解説します。

目次

交流会の予定は増えているのに、売上の見通しは変わらない。名刺交換の後にお礼は送っているが、具体的な相談が来ない。そんな状態では、参加回数を増やすべきか、会を変えるべきか迷います。

見直す場所は、どこまで話が進んでいるかによって異なります。この記事では、すでに経営者交流会へ参加している方に向けて、会選びから面談後までの原因を切り分けます。

この記事の結論

経営者交流会で成果が出ないときは、目的に合う相手との出会い、次の約束、連絡・面談の実施、具体的な相談や紹介の順に進み具合を確認し、最初に止まる箇所を一つ直してから、進展と費用・時間を比べて継続を判断します。

成果が出ない原因は、最後に進んだ段階から探す

最初に、直近の参加で知り合った相手について、どこまで進んだかを書き出します。会の印象や自分の話しやすさより、相手と何を話し、何を約束し、その後何が起きたかが診断材料になります。

SparkLaboには100回以上の経営者交流会・ビジネスマッチングイベントの開催経験があります。その経験を踏まえ、この記事では、出会いから具体的な相談までを次の表で整理します。開催回数や名刺枚数だけでは分からない、見直す場所を探すための表です。

今起きていること

最初に確認すること

先に変える行動

目的に合う相手とほとんど会えない

対象者がいないのか、いるのに話せないのか

参加先の条件、または会場で相手に会う方法を変える

会話はできるが、その後に話す理由が残らない

相手の課題や関心を聞けているか

事業説明だけで終えず、次に扱う話題を確かめる

次に話そうと言ったが、連絡・面談が実施されない

提案が曖昧なのか、自社の連絡が止まっているのか

話す内容と所要時間を具体化し、担当・期限を決める

面談は続くが、案件や紹介に進まない

解決したい課題、検討時期、紹介する相手像があるか

条件を確かめ、進める相手と今は待つ相手を分ける

名刺情報しか残っておらず判断できない場合は、「誰が悪いか」を決める前に、次回から会話内容を記録します。複数の問題があるなら、最初に止まる箇所から一つ直すのが出発点です。対象者がいないままお礼の文面だけを磨いても、期待する相談には近づけません。

会う相手が合わないなら、参加先か狙いを変える

会が合わないかを判断するには、「会いたい相手が参加していたか」と「その相手と話せたか」を分けます。前者が足りないなら参加先、後者が足りないなら会場での動きや運営の使い方を見直します。

対象者がいないなら、参加目的を具体化して会を変える

「経営者なら誰でも顧客になる」と考えていると、肩書きは合っていても、サービスが必要になる場面が見つかりません。支援したい業種、会社の規模、困りごとを一つずつ書き出し、参加者と重なるかを確認します。

たとえば従業員を多く雇用する会社に勤怠管理を提案したいのに、一人で事業を営む参加者ばかりなら、直接の商談を増やす目的とはずれます。次回は雇用のある企業の参加傾向を主催者に確認するか、人事労務をテーマにした別の会を探します。

参加者が直接の顧客にならなくても、顧客を紹介してくれる相手や、一緒に顧客を支援する協業先になる場合はあります。ただし、売上につながらなかった理由を後から「人脈ができたからよい」と置き換えるだけでは、次回の基準が決まりません。紹介先を探す目的へ変えるなら、誰の顧客を、どんな場面で支援できるかまで考え直します。

対象者はいるのに話せないなら、会う方法を変える

会いたい業種の人がいるのに、知人との会話や近くにいる人との名刺交換だけで終わる場合は、参加先を変える前に話す機会を作ります。参加者紹介や席替えがあるなら活用し、主催者に「この業種の方と話したい」と具体的に伝えます。

自由交流で相手を探すのが難しければ、少人数の着席形式や事前に相手が決まる形式を試します。自分の話し方の問題と決めつけず、話しかけるきっかけがある形式かも確認してください。

告知と異なる参加者ばかりだった、強い勧誘が続いた、困っても運営が対応しないといった場合は、自社の努力で解消しようとせず、その会への参加を見直します。

名刺交換で終わるなら、次に話す理由を残す

名刺交換から進まないときは、自社を説明できたかに加えて、相手が次も話す理由を持てたかを確認します。「何の会社か」は伝わっていても、「自社のどの課題で頼めるか」が分からなければ相談には進みにくくなります。

たとえばWeb制作会社が「ホームページを作っています」と伝えただけでは、今すぐ制作予定のない相手との会話が終わることがあります。「採用応募を増やすページを整える仕事もしています」と用途を伝えると、採用に困る相手は自社との関係を考えられます。実際に対応できる範囲で、使う場面を添えてください。

同時に、相手の話から次の三つを残します。

  • どんな顧客や仕事に関わっているか。
  • 最近どんな課題や相談があるか。
  • その話題について、後日何を聞く・伝えると役に立つか。

すべてを会場で詳しく聞く必要はありません。相手の関心が分かったところで、「その採用の課題について、今の募集ページを見ながら後日話しませんか」のように、次の会話の目的を確かめます。単に「一度お打ち合わせを」と誘うより、相手が時間を使う理由を判断できます。

話せることが見つからなければ、無理に面談を増やさず、今回聞けたことを記録します。会う相手を増やす前に、2回目に会う相手の選び方で、次に話す必要がある相手を整理できます。

お礼の後で止まるなら、連絡内容と実行を分けて直す

お礼を送っても進展しない場合は、「相手が返答できる提案になっているか」と「自社が約束を実行したか」を別に確認します。一斉に会社資料を送った状態と、面談内容を合意したのに日程連絡を忘れた状態では、直すところが違います。

返信がない場合は、相手にとっての目的と負担を具体化する

まず送った文章を読み返し、当日話した内容が入っているかを見ます。「情報交換をお願いします」だけなら、何を聞かれ、どのくらい時間がかかるかを相手は判断できません。

紹介や協業の相手にも、いきなり顧客紹介を求めず、まず互いが対応できる相談を確認する提案にします。相手にとって必要性がまだなければ、面談を急がず、合意した情報の送付だけで終える選択肢もあります。

一度の無返信から原因は断定できません。日程や相手の状況も考慮し、連絡を見落としている可能性があれば、前の文脈が分かる形で確認します。明確に断られた相手や反応のない相手を追い続けず、具体的な関心がある相手の対応へ時間を戻します。

自社の連絡が止まる場合は、相手ごとに一つの行動を決める

「資料を送る」「日程を連絡する」と約束していたのに実行していない場合は、文面より管理を直します。名刺とメールが別々でも、相手、話したこと、次の行動、期限、担当を一箇所にまとめれば、今日誰へ連絡するかを決められます。

記録例は「採用支援会社/顧客から人事制度の相談を受ける/対応範囲をまとめた1枚を送る/金曜まで/自分」です。「フォローする」とだけ書かず、完了したか判断できる行動にします。

一人で担当する場合も、交流会の予定と一緒に後日の連絡時間を確保します。すでに約束がたまっているなら、新しい会への参加を増やす前に実行してください。相手別の連絡や名刺整理を詳しく決める場合は、経営者交流会後のフォローを案件につなげる方法が補足になります。

面談しても案件にならないなら、相談内容と紹介条件を確かめる

会う回数は増えているのに案件が生まれない場合は、「次も会う」こと自体が目標になっていないかを確認します。直接サービスを使う相手なら解決したい課題と時期、紹介してくれる相手なら紹介先を思い浮かべる条件が必要です。

顧客候補には、課題と検討時期を確認する

事業紹介や雑談を重ねるだけでは、提案に進むか判断できません。「今、何を変えたいのか」「それはいつまでに必要か」「外部へ頼むとしたら何を確かめたいか」を聞きます。

課題が明確で時期も合うなら、次は現状確認や提案の場を設定します。課題はあるが今期は動けない場合は、いつ状況が変わるかを確認して連絡時期を決めます。サービスへの関心が薄い相手なら、商談として追う対象から外します。

具体的な課題・時期・検討意向がそろっているのに提案後に止まるなら、交流会とは別の問題も考えます。提案の内容、対応範囲、価格、信頼材料のどこが判断を妨げているかを相手に確かめます。会への参加数を増やしても、提案の不足は解消しません。

紹介者候補には、誰のどんな相談をつなぐかを共有する

「どなたか紹介してください」と頼んでも、相手が自社を思い出す場面が分からなければ動けません。紹介者候補とは、自社の顧客になり得る企業と接点を持ち、相談をつないでくれる可能性がある相手です。

SparkLaboの顧客である財務・資金調達コンサルティング企業では、紹介・協業を通じて半年で5件の成約につながりました。以前は交流会で漠然と会うだけでは仕事の話につながりにくいと感じていましたが、利用後は1対1の面談で協業できる部分を探す機会が増えました。

採用、組織再編、経営コンサルティングなどを担う協業先とは、顧客から財務や資金調達の話が出たら相談をつなぐという、紹介のきっかけを共有していました。自社でも「誰を紹介してほしいか」に加え、「どんな相談が出たら思い出してほしいか」を伝えます。紹介後に自社がどこまで対応するかも短く共有しましょう。

紹介がない場合は、条件が伝わっていないのか、相手の周囲に対象者がいないのか、自社を任せられる材料が足りないのかを確かめます。対象者がいなければ別の相手を探し、理解が不足していれば対応例を共有します。無理な紹介を頼み続ける必要はありません。

一緒に顧客を支援する協業先とは、どの作業をどちらが担当すると顧客の困りごとを解決できるかを確認します。次の面談で話す順番や質問の詳細は、交流会後の個別面談で話すことで整理できます。

進展と負担を記録し、継続・変更・休止を決める

参加を続けるかは、最終的な案件・紹介の結果と、その手前の進展、費用・時間を分けて判断します。名刺交換や面談だけを成果として数えると、売上につながる話がないまま活動量だけが増えます。一方、受注まで検討期間のあるサービスを、当日の受注の有無だけで判断するのも適切ではありません。

受注前の進展と最終結果を分けて記録する

交流会ごとに、次の項目を同じ形で残します。相手の名前と話した内容もひも付けると、進展がない理由を読み返せます。

記録するもの

数える・記載する内容

目的に合う会話

自社の顧客像や支援領域と重なり、相手の課題・関心を確認できた会話

次の約束と実施

話す内容を双方で決めた約束と、実際に行った面談・情報送付を分ける

具体的な進展

課題と時期のある相談、本人の意向を確認した顧客紹介、実施内容が決まった共同企画

最終結果

受注、売上、採算。見込と確定を分ける

負担

参加費などの支出と、準備・移動・参加・連絡・面談に使った時間

たとえば記録の例として、合う相手と話せて次の約束もあるのに、実施欄が空なら、先に連絡を進めます。面談の実施は続いているのに相談内容が毎回空なら、相手の選別や面談で確認することを見直します。

次回に変えることと、見直す時点を先に決める

何回参加すれば元が取れるかは、商材の検討期間、会いたい相手、参加費と時間によって変わります。ここでは回数を一律に決めず、改善を試す手順をそろえます。

  1. 記録から、出会い・約束・実施・具体的な進展のどこが最初に止まるかを一つ選ぶ。
  2. 次回変える行動を一つ決める。例として、主催者へ会いたい業種を伝える、面談の目的を具体化する、約束した資料を期限内に送る。
  3. 次回参加後と、約束した連絡・面談を終えた時点で、同じ項目を見直す。
  4. 進展が増えたか、負担を続けられるかを確認し、継続・参加先の変更・頻度の縮小や休止を選ぶ。

目的に合う相手との相談が進み、負担も収まるなら継続候補です。参加者とのずれが続くなら会を変えます。相手はいるが連絡や面談を処理できていないなら、参加頻度を下げて既存の約束を進めます。改善を試しても具体的な進展がなく、他の営業活動や経営業務を圧迫するなら、休止も選択肢です。

SparkLaboの顧客事例では、営業をすべて担っていた社長が、パートナー経由の紹介ルートを作ったことで営業の負担を減らし、新規事業・戦略策定・事業改善へ時間を振り向けられるようになりました。交流会の評価でも、接点の数を増やすことだけでなく、案件につながる相手に時間を使えているかを見ます。

自社だけで相手の整理や紹介・協業の運用を進めにくい場合、SparkLaboでは候補探索、相互紹介や共催などの施策づくり、実行後の振り返りまで支援します。相談時には直近の参加記録をもとに、どこが止まり、何から変えるかを一緒に整理できます。

執筆者

樫根 久澄のプロフィール写真

樫根 久澄

株式会社SparkNow 代表取締役CEO/SparkLabo運営

早稲田大学政治経済学部卒業。双日株式会社でファイナンス業務に従事後、エンジニアに転身し、システム開発会社の海外拠点代表を務める。2022年にオンライン診療スタートアップを創業し、売却を経験。

BtoB事業の顧客開拓のため、30の経営者コミュニティに入会・参加し、経営者交流会には1,000回以上参加。20以上のアポイント獲得サービスを利用し、累計2万枚のデジタル名刺を自ら配布。こうした実践を通じて、出会いを継続的な案件獲得につなげる難しさを実感し、企業同士の紹介・協業を通じたパートナーセールスを支援する「SparkLabo」を立ち上げる。SparkLaboでは、経営者交流会・会食の開催・共催を100回以上重ねている。