経営者交流会を主催する方法|集客・開催準備・当日の進行表

経営者交流会を初めて主催する企業向けに、参加対象と集客、募集文、会場・予算・担当の決め方、90分の進行表、安心して話せる参加ルール、開催後の紹介手順を解説します。

目次

自社に合う経営者と継続して知り合うために、小さな交流会を開きたい。そう考えたときは、会場を予約する前に、誰に来てほしいか、その人が参加する理由は何かを決めます。この記事では、中小BtoB企業が対面の経営者交流会を初めて主催するための準備を、募集文と進行表の例を交えて説明します。

この記事の結論

経営者交流会を主催するときは、参加してほしい経営者と話し合うテーマを決め、招待先・募集文・会場・予算・担当を整えたうえで、当日の進行と参加ルールを案内し、開催後は双方が希望する面談や紹介を取り次ぎます。

経営者交流会は目的と参加者を決めてから準備する

主催者にとっての目的と、参加者が得られることを一文ずつ書くところから始めます。たとえば主催者が「共同で顧客を支援できる会社と知り合いたい」と考えるなら、参加者にも「自社だけでは対応できない相談を頼める相手と話せる」という参加理由を用意します。

「人を集めて自社サービスを説明する」だけでは、何のために足を運ぶ会なのかが参加者に伝わりません。互いに仕事や課題を知る時間をつくり、希望が合えば別の面談へ進む会として設計します。

この記事では、開催までを次の順番で進めます。

  1. 主催する目的と、参加者が話せるテーマを決める
  2. 招待したい相手を書き出し、参加の関心や都合を確かめる
  3. 人数・日時・会場・予算・運営担当を決める
  4. 募集文と申込窓口を用意し、参加条件とルールを案内する
  5. 申込状況を見て席の組み合わせと進行表を作り、開催案内を送る
  6. 当日の交流を支え、終了後に希望する面談・紹介を取り次いで振り返る

SparkLaboは経営者交流会を100回以上開催してきました。場を設計・運営する立場から、主催者が参加者同士の共通点を把握し、会話の入口と開催後の連絡を用意するところまで整理します。以下の募集文、人数、時間割は、この説明のために記事で作成した例です。

参加対象が伝わる募集文と招待先をつくる

最初に「経営者なら誰でも」と広く募るより、どのような仕事をする人同士に、何を話してほしいかを決めます。参加対象が明確なら、招待する理由も募集文に書けます。

参加者に共通する顧客や課題から対象を決める

自社と同じ業界に絞る必要はありません。異なる業界でも、支援している顧客が近ければ、仕事の前後で相談をつなげる可能性があります。

たとえば「中小企業の採用を支援する経営者の情報交換会」なら、人材紹介、採用サイト制作、労務支援などの会社が候補になります。「顧客から受ける相談のうち、自社では対応しきれないもの」をテーマにすれば、業界が違っても何を話せばよいかが伝わります。

申込み時には、会社名・役職・事業内容に加えて、「普段どのような顧客を支援しているか」「今回は何を話したいか」を短く記入してもらいます。主催者は対象に合うかを確認でき、当日の席や紹介を考える材料にも使えます。

最初の招待は参加する理由を説明できる相手へ送る

テーマに合う既存の取引先、知人経営者、過去に交流した企業を書き出し、まずは個別に声をかけます。単に開催情報を送るだけでなく、「同じ顧客層を支援する会社と、外部へつないでいる相談について話してほしい」のように、招いた理由を添えます。

公開募集をする場合は、自社のSNSやイベント告知ページ、対象者が集まるコミュニティなどに同じ募集文を掲載します。ほかの人が運営する場へ投稿する場合は、その場の告知ルールを確認します。知人に参加者を紹介してもらうときも、日時だけでなく対象とテーマを渡すと、紹介する側が判断できます。

反応が少ない場合は、招待した相手に「テーマへの関心」「日時の都合」「参加条件の分かりにくさ」を聞きます。人数を埋めるために対象を次々と広げる前に、参加しない理由に合わせて企画を見直します。

募集文には参加対象・話題・開催条件をまとめる

募集文は、参加を判断する情報が一か所にそろう形にします。次は書き換えて使えるひな型です。日時や金額を確定してから公開します。

項目

募集文の記入例

会の名前

中小企業の採用を支援する経営者の情報交換会

対象

人材紹介、採用サイト制作、労務支援など、採用に関わる事業の経営者

話すテーマ

顧客から受ける採用相談と、自社だけでは対応していない領域

参加するとできること

支援内容が異なる会社と話し、相談をつなげられる相手を知る

日時・会場

[開催日]受付[時刻]/開始[時刻]/終了[時刻]、[建物名・階数・住所]

定員・形式

[定員]、着席でのグループ対話と自由交流

参加費

[金額]、[税込・税別の別]、[飲食の有無]、[支払い方法]

申込方法

[申込URL]、[申込締切]、[参加確定の連絡方法]

キャンセル・中止

[キャンセル期限と扱い]、[開催判断日・中止の連絡方法]

参加ルール

一方的な勧誘をしないこと、連絡先や写真の扱い、困った際の相談先

主催・連絡先

[主催者名]、[問い合わせ窓口]、[当日の連絡先]

申込み受付後は、参加が確定しているのか、確認待ちなのかを分かるように返信します。開催前の案内では、会場への経路、持ち物、自己紹介で話してほしい項目を再度伝えます。初参加者には経営者交流会の参加前準備も補足として案内できます。

開催条件は会話時間と使える予算から決める

定員は会場の最大収容人数だけで決めません。参加者が話せる時間と、主催者が進行・受付・相談対応に使える人数から決めます。

人数・日時・会場を実際の会話に合わせる

たとえば12人が一人ずつ2分話すだけでも、全体の自己紹介に24分かかります。全員への発表を長く取ると、話を深める時間が減ります。少人数のグループで話す時間を設けるなど、予定人数に合わせて形式を選びます。

候補日の段階では、来てほしい相手数人に都合を聞きます。経営者向けだから平日夜が適切と決めつけず、移動時間を含めて参加できるかを確かめます。

会場は、声が聞き取れるか、席を動かせるか、受付場所と荷物を置く場所を確保できるかを確認します。飲食を含む場合は、会話や席移動と両立するかも見ます。予約時間には、会の本番だけでなく、設営と片付けに使う時間を含めます。

費用と開催判断日を募集前に決める

予算には、会場費、飲食費、備品、決済などの手数料を入れます。費用を主催者が負担するのか、参加費で一部または全部を賄うのかを先に決めます。

参加費の検討では、固定費+参加人数に応じた費用を予定人数と並べて確認します。満席だけでなく、参加者が少ない場合の総費用も計算しておくと、無理なく開催できる規模を判断できます。

会場の変更・取消条件を確認し、その期限より前に開催判断日を置きます。人数が想定を下回った場合に、規模を縮める、日時を変える、中止するうちどこまで対応できるかを決め、変更があれば参加予定者へ連絡します。参加費やキャンセル条件も、申込後に初めて知らせる形にしないようにします。

受付・進行・困りごとへの対応を担当者に割り振る

「当日は全員で対応する」では、受付中の遅刻連絡や、進行中の相談が抜けることがあります。誰が受けるかを、事前に名前で決めます。

  • 受付担当が申込一覧、支払い状況、名札、参加条件を確認できる
  • 進行担当が時間割、グループ分け、話してほしいテーマを把握している
  • 当日の連絡先を確認する人が、遅刻・欠席・道案内に対応できる
  • 困った参加者から相談を受ける人と、会場担当者への連絡方法を決めた
  • 終了時刻、片付け、忘れ物、会場の退出確認を担当者に割り振った

一人で主催するなら、準備と進行が重ならない規模・形式にします。受付を済ませてから開会し、途中参加者への案内を用意するなど、会話を進めながら別の対応に追われない段取りを組みます。

当日はテーマを決めた対話と自由交流を組み合わせる

参加者が初対面でも話しやすいように、前半は小さなグループで共通のテーマを話し、後半は関心のある相手と続きを話す時間を設けます。自由交流だけで構成する場合も、会話に入れない人を主催者が見つけられるようにします。

進行表には参加者の動きと主催者の仕事を書く

以下は、12人を4人ずつ3グループに分ける、90分の開催例です。時間は受付開始からの経過時間で、設営と片付けは別に確保します。

経過時間

参加者の動き

主催者がすること

0〜10分

受付、名札の受け取り、着席

出欠と席を確認し、初参加者へ流れを案内する

10〜15分

会の目的・進行・ルールを聞く

話すテーマ、終了時刻、相談先を伝える

15〜35分

グループ内で短く自己紹介し、テーマについて話す

一人に話が偏らないかを見て、話す順番を助ける

35〜40分

席を移動する

予定した組み合わせへ案内する

40〜60分

別のグループで同じテーマを話す

共通点が見えにくい組には話題の入口を渡す

60〜80分

自由交流し、続きを話したい相手と情報交換する

希望がある人同士を引き合わせる

80〜90分

次の約束を確認し、感想を記入して終了する

取り次ぎ希望の受付方法と、終了後の連絡を案内する

参加人数や会場に合わせて時間配分は変えます。自己紹介の発表会にしたいのか、具体的な課題について対話する会にしたいのかで、長く取る時間も変わります。進行担当には、予定より長引いた場合にどの時間を調整するかも伝えます。

席の組み合わせと主催者の声かけで会話を助ける

席は申込み時に聞いた顧客層や話したいテーマを見て組みます。初対面の人だけを集めるのではなく、共通して話せる内容があるかを確認します。途中で席を替える場合は、同じ組み合わせが繰り返されないよう事前に表を作ります。

会話の入口は、「自社だけでは対応していない顧客の相談はありますか」のように、全員が自分の仕事から答えられる質問にします。主催者が人を紹介するときも、「同じ採用領域のお客様を支援しているので、対応範囲をお互いに聞いてみてください」と共通点を一言添えます。

一人が話し続けている場合は、進行担当が区切り、ほかの人の話を聞く時間へ移します。自由交流で一人になっている人には、休みたいのか、話す相手を探しているのかを確かめます。希望を聞いてから紹介すれば、望んでいない会話へ無理に入れることを避けられます。

申し込み時と開会時に同じ参加ルールを伝える

参加ルールは、トラブルが起きてから追加するより、募集文と開会の説明で共通に伝えます。参加者が「何をしてよいか」「断ってよいか」「誰に相談できるか」を知っている状態にします。

次は、案内に使うルールの作成例です。主催する会の目的と運営体制に合わせて調整します。

名簿を共有するなら、どの項目を誰に見せるかを申込み時に示します。写真を使う場合も、撮影や掲載を希望しない人の伝え方と、当日その希望をどう確認するかを決めておきます。

営業の話題を一律に禁じる必要はありません。互いに望んで仕事の相談をすることと、断りづらい状況で話を進めることを区別します。主催者が相談を受けた場合は、まず状況を確認し、会話を止める、席を離す、必要なら退出を求めるなど、会のルールに沿って対応します。

開催後は双方が希望する面談・紹介だけを進める

開催後の主催者の役割は、全員へ一斉に商談を割り当てることではありません。続きを話したい人同士が、目的を理解して連絡を取れるように手伝います。

取り次ぎは相手と目的を確かめてから行う

終了時のアンケートや案内メールに、取り次ぎを希望する相手と話題を書ける欄を用意します。その場で「紹介してほしい」と言われた場合も、片方の希望だけで連絡先を渡さず、次の順番で確認します。

  1. 希望者に、誰と何について話したいかを聞く
  2. 相手にその目的を伝え、連絡を取り次いでよいかを確認する
  3. 双方が希望したら、共有する連絡先と連絡方法を確かめる
  4. 共通の話題と、最初にどちらから連絡するかを添えて紹介する
  5. 面談の有無や次の予定を、本人から確認できた範囲で記録する

返事がない、または希望しない場合は、紹介を成立した扱いにしません。主催者からの開催報告でも、本人が確認していない面談予定や成果を付け加えないようにします。

参加者へ案内するお礼や、その後の連絡については、交流会の参加後フォローで具体的な進め方を確認できます。

次回は参加人数と会話後の動きを分けて振り返る

次回の改善に使う記録は、集まった人数だけで終わらせません。申込数・参加数とともに、話したい相手と話せたか、時間が足りなかった場面はどこか、次の面談や紹介を希望した人がいたかを確認します。

たとえば「話したい相手はいたが自由交流で会えなかった」なら、次回は席や紹介の時間を調整できます。「誰と何を話す会か分からなかった」なら、募集文と開会の説明を直します。取り次ぎ希望があっても面談に進んでいなければ、日程調整が残っているのか、目的が合わなかったのかを確かめます。

受注や共同提案に進んだ場合は、それを別に記録します。参加、会話、面談、仕事の進展を分けておくと、会のどこを改善すればよいかが見えます。初回の開催後は、確認できた困りごとから次回に変える点を決めましょう。

SparkLaboは、紹介・協業の相手探しと紹介、取り組みの設計・管理、毎月の振り返りを支援しています。自社でつくった交流の場や、そこで出会った相手との関係を、継続的に案件を生む取り組みへ育てたい経営者が相談できます。

執筆者

樫根 久澄のプロフィール写真

樫根 久澄

株式会社SparkNow 代表取締役CEO/SparkLabo運営

早稲田大学政治経済学部卒業。双日株式会社でファイナンス業務に従事後、エンジニアに転身し、システム開発会社の海外拠点代表を務める。2022年にオンライン診療スタートアップを創業し、売却を経験。

BtoB事業の顧客開拓のため、30の経営者コミュニティに入会・参加し、経営者交流会には1,000回以上参加。20以上のアポイント獲得サービスを利用し、累計2万枚のデジタル名刺を自ら配布。こうした実践を通じて、出会いを継続的な案件獲得につなげる難しさを実感し、企業同士の紹介・協業を通じたパートナーセールスを支援する「SparkLabo」を立ち上げる。SparkLaboでは、経営者交流会・会食の開催・共催を100回以上重ねている。