経営者交流会で何を話す?話しかけ方・質問・切り上げの会話例

経営者交流会の短い初対面会話を、挨拶、質問、返答に応じた聞き返し、自社の話とのつなぎ方、切り上げまで会話例で解説します。相手の関心に合わせて、続きを話す約束をする場合と、お礼で終える場合を選べます。

目次

名刺を交換して「何をされている会社ですか」と聞いた後、会話が止まる。間を埋めようと自社の説明を始めると、今度は相手の話を聞けない。経営者交流会で話すことに迷うときは、話題を増やすより、返ってきた言葉をどう受けるかを決めておくと動きやすくなります。

この記事の結論

経営者交流会では、挨拶と短い事業紹介から相手の顧客や最近の相談を聞き、返答に含まれる話題を一つ深め、自社が役立てる点を共有したうえで、双方に関心があれば続きを話す内容と連絡方法を決め、関心が薄ければお礼で区切ります。

この記事は、会場で交わす短い初対面の会話を扱います。以下の会話文は、自社の仕事に合わせて使うために作成した例です。

経営者交流会では相手の仕事を聞き、返答から話題を一つ選ぶ

最初は、相手が誰にどんな仕事を提供しているかを聞きます。次に、返答の中から気になった点を一つ聞き返し、自社との関係があれば短く共有します。続きが必要かは、その話題への相手の意向を確かめて決めます。

当日の流れを、この記事では次のように整理します。

  1. 挨拶し、氏名・会社名と仕事を短く伝える
  2. 相手の主な顧客や、最近よく受ける相談を聞く
  3. 返答に含まれる話題を一つ選び、もう少し聞く。自分の話も短く返す
  4. 関連する自社の仕事があれば伝え、相手が関心を持つか確かめる
  5. お礼で区切る。双方が続きを希望する場合は、話題と連絡方法を決める

この順番は、相手を質問どおりに動かす台本ではありません。先に質問されたら答え、相手が話題を変えたらその話を聞きます。次の質問を考える前に、今の返答を受けることを優先してください。

相手自身にサービスの必要がなくても、同じ顧客層を支援する会社なら、相談を紹介し合ったり、一緒に顧客を支援したりする接点が見つかる場合があります。一緒に顧客を支援することを、ここでは「協業」と呼びます。短い会話では、その可能性があるかを知るところまでで十分です。

SparkLaboには100回以上の経営者交流会を開催してきた経験があります。場を運営する側の視点も踏まえ、ここからは相手の話を知り、会話を無理なく終え、必要な続きだけを残すための応答例を示します。

最初の一言は挨拶と、その場で共有できる話題から

声をかけるときは、自分の名前を伝え、今少し話せるかを確かめます。気の利いた話題を探さなくても、同じ会に参加していることや、その場で聞いた自己紹介が入口になります。

一人でいる相手には話せるタイミングか確かめる

自由交流で一人でいる人に会釈し、相手もこちらを向いたら声をかけます。一人だから話したいはずとは決めず、休憩中や人を待っている場合には無理に続けません。

自分:はじめまして、○○社の△△です。今、少しお話ししてもよろしいですか。

相手:はい、大丈夫です。

自分:ありがとうございます。私は、製造業の受発注を管理するシステムを作っています。こちらの会にはよく参加されるんですか。

相手:今回が初めてです。普段は企業の業務改善を支援しています。

自分:業務改善のご支援なんですね。どのような業種のお客さまが多いですか。

会への参加経験を聞いた後、相手が出した仕事の話へ進む形です。相手が別の話を始めたなら、いったんそこを聞いてかまいません。食事や会場の話も、自然に出た話題なら使えます。

名札や名刺で事業が分かる場合は「名刺にある○○は、どのようなお仕事ですか」と聞けます。着席形式で全員の自己紹介を聞いた後なら、「先ほどの○○のお話を、もう少し伺ってもよいですか」と始められます。

輪に入るときは今の話題を引き継ぐ

グループには会話の切れ目で「ご一緒してもよろしいですか」と尋ねます。加わったら名前を短く伝え、最初から自分の事業説明へ切り替えず、進んでいる話を聞きます。

自分:○○社の△△です。途中から失礼します。

相手:今、初めて社員を採用したときの話をしていたんです。

自分:そうだったんですね。最初の採用で、準備しておいてよかったことはありましたか。

途中まで聞いて分からない言葉があれば、「今のお話の○○は、どういう意味でしょうか」と聞けます。知らない業界の話に合わせて、分かったふりをする必要はありません。

輪が閉じていて入りにくければ、一人でいる別の参加者に声をかけるか、主催者へ「初参加で、業務改善を支援する方と話したいのですが、紹介していただける方はいらっしゃいますか」と頼めます。深い話の途中へ割って入ることだけが、交流の方法ではありません。

顧客と相談内容を聞き、返答に合わせて一段だけ深める

事業紹介を聞いたら、「どのようなお客さまが多いですか」「最近はどんな相談が多いですか」のどちらかを、まだ分からない方から聞きます。両方を続けて尋ねず、答えを待ってから話を進めます。

ここでは、システム開発会社の経営者が、業務改善を支援する経営者と話す場合で考えます。すべての分岐を一人に試すのではなく、相手の返事に当てはまる例を選んでください。

幅広い答えには最近の仕事を一つ聞く

「いろいろです」と返ってきたら、何を答えればよいか範囲が広すぎた可能性があります。業種や規模を次々に聞くより、最近の仕事の一例へ絞ります。

自分:どのようなお客さまが多いですか。

相手:業種はいろいろですね。

自分:幅広く支援されているんですね。最近は、どんなお仕事が多いですか。

相手:製造業の会社で、事務作業の進め方を見直す仕事が続いています。

自分:製造業なら当社のお客さまとも近いです。事務作業の中では、どのあたりを見直すことが多いんですか。

相手の答えにあった「製造業」「事務作業」を使うので、話題が急に飛びません。こちらの顧客が近いことも伝えると、なぜその質問に関心があるかを相手が理解できます。

「具体的には話しにくい」と言われたら、事例を求めずに止めます。顧客名や取引金額まで聞かなくても、相手がどんな仕事をしているかは分かります。

相談が出たら相手の言葉を使って確かめる

具体的な困りごとが出たら、すぐ解決策を語る前に、どの部分を指しているか確かめます。「大変ですね」だけで流さず、相手が使った言葉から聞き返します。

相手:受注した内容を何度も入力し直していて、大変だという相談があります。

自分:同じ情報を、別のところへ入力し直しているんですね。

相手:そうです。注文を受けた後、出荷用の表にもう一度入力しています。

自分:受注から出荷へ渡すところなんですね。御社では、作業の整理からシステムを変えるところまで支援されるんですか。

この返答なら、相手が支援している仕事と、自社が手伝える仕事のつながりを知れます。会場で原因や費用をすべて聞き出す必要はありません。話が込み入ってきたら、続きを別の機会に話すかを相談します。

自分の理解と違ったら、「受注の時点ではなく、出荷側の話でしたね」と訂正して聞き直せば十分です。相手が話していない問題を補って、自社のサービスが必要な話へ変えないようにします。

困っていない相手には関心や得意分野を聞く

「特に困っていません」と言われたら、課題を探し続けず、相手が今話したいことへ移ります。うまくいっている仕事や力を入れている領域も、互いを知る材料になります。

相手:今は特に困っていることはないですね。

自分:そうなんですね。今、特に力を入れているお仕事はありますか。

相手:新しく物流会社の支援を始めたところです。

自分:物流会社の支援なんですね。どのような業務を担当されているんですか。

そこで自社と接点があるかは、話を聞いてから考えます。関係が薄くても、相手の得意分野を知れれば、その会話で得られたことになります。反対に、この問いにも短い返事だけが続くなら、さらに質問を重ねず区切ります。

自社の説明は聞いた話とつながる仕事だけにする

自社の話へ移るときは、相手が話した内容を一言受けて、関係する仕事だけを伝えます。自分の説明が終わったら、相手がどう感じるかを聞き、長いサービス紹介へ広げるかを決めます。

関係する仕事を一つ伝え、相手に戻す

先ほどの受発注の例で、相手から「作業の整理はするが、システム開発は外部へ相談する」と聞けた場合なら、次のように続けられます。

自分:その開発の部分は、当社で対応している仕事です。受注から出荷まで同じ情報を使えるようにするシステムを作っています。

相手:そういう会社とは、一度話してみたいですね。

自分:ありがとうございます。御社が作業の流れを整理した後、必要な仕組みを一緒に考える形なら、お客さまの相談に合いそうでしょうか。

相手:合うと思います。どこまで頼めるのか知りたいです。

ここまで話せたら、「対応範囲を共有する」という次の用件を相談できます。同じ顧客を支援しているからといって、顧客紹介や提携が決まったわけではありません。まずは相手が知りたい点を確かめます。

相手が「開発もすべて社内で対応しています」と答えたなら、「そうなんですね。御社で一貫して対応されているんですね」と受けます。外注の必要がない相手へ、説明を押し込む必要はありません。

先に質問されたら短く答えてから聞く

「御社は何をしているのですか」と聞かれたときは、質問を返す前に答えます。聞くことを優先しすぎて、自社のことが分からない会話にしないようにします。

相手:御社では、どんなシステムを作っているんですか。

自分:主に製造業向けに、受注から出荷までを管理する仕組みを作っています。たとえば、注文内容を出荷用の表へ入力し直す作業を減らすためのものです。

相手:うちのお客さまでも、似た話があります。

自分:そうなんですね。どのような場面で相談されるんですか。

「誰の・何を手伝う仕事か」と一つの使用場面があれば、相手は自社との関係を考えられます。質問された内容が費用や実績なら、その質問に答えます。条件がないと答えられない場合は、何を確認すれば説明できるかを伝え、その場で数字を作らないようにします。

反応が薄いときや売り込みが続くときは無理に広げない

会話が続かない場合も、質問を増やせばよいとは限りません。答えづらい話題なのか、今は話す時間がないのかを確かめ、相手も自分も続けたい会話かを見ます。

短い返答が続いたら話題か終わり方を変える

一度の「そうですね」だけで、興味がないとは決めません。考えている途中かもしれないので、次の言葉を少し待ちます。それでも話が続かないときは、質問を簡単にするか、こちらが尋ねている理由を短く添えます。

自分:当社でも製造業の支援をしているので、御社のお仕事に関心がありました。今日は、どんな方とお話ししたいと思って参加されたんですか。

相手:今日は知り合いに挨拶できれば、という感じです。

自分:そうだったんですね。お時間をいただきありがとうございました。では、ここで失礼します。

相手が「○○の話なら聞きたい」と返したなら、その話題へ進めます。別の人を探している、移動しようとしている場合は、質問を続けずお礼で終えます。仕事の接点が見つからないことと、会話の失敗は同じではありません。

不要な案内には検討していないと伝える

相手のサービス案内が長く続く場合は、説明の区切りで自分の意向を伝えます。不要なものを「検討します」と返すと、次の連絡を期待させてしまいます。

ご案内ありがとうございます。今はそのサービスの導入を検討していないので、詳しいご説明や資料の送付は結構です。お話しできてよかったです。では、失礼します。

協業の情報交換は続けたい場合は、「購入の予定はないのですが、お互いに対応する仕事の範囲は伺いたいです」と目的を言い直せます。それでも案内が続き、離れづらい場合は、会話を終えて主催者やスタッフに相談します。

終わりはお礼で区切り、続きが必要なら内容と連絡を決める

話題が一段落したとき、席替えの案内があったとき、相手が次の交流へ移ろうとしたときは、お礼を伝えて区切ります。共通の話題があり、双方が続きを希望する場合だけ、次に扱う内容と連絡方法を相談します。

続きを話したい場合は話題を挙げて意向を聞く

「ぜひ一度」だけで誘うより、何を話す機会なのかを伝えます。受発注の例なら、次のように聞けます。

自分:開発をどこまで頼めるかというお話、当社の対応範囲を見ながら、改めて情報交換しませんか。

相手:まずは資料を見たいです。

自分:承知しました。明日、対応範囲をまとめた資料を、名刺のメールへお送りしてもよいですか。

相手:はい、お願いします。

自分:ありがとうございます。では明日お送りします。今日はお話しできてよかったです。

この会話で決まったのは資料送付です。面談まで合意したことにはしません。「詳しく話したい」と返ってきた場合は、「では、対応範囲を確認する時間として、来週20分ほどオンラインでいかがでしょうか」と、内容に合う所要時間と時期を提案できます。時間は例であり、相手と調整します。

その場で日程を決めきれなければ、誰がいつ連絡するかを確かめて終えます。「後で連絡します」だけにせず、連絡する用件と手段までそろえておくと、相手も何が届くか分かります。

次の約束がなくてもお礼で終えられる

続きの用件が見つからなければ、「○○のお話を伺えて参考になりました。ありがとうございました。私もほかの方にご挨拶してきます」と伝えて終えられます。実際には続けるつもりのない面談や紹介を約束する必要はありません。

会話を終えた直後に、次の点をメモで確認します。聞けなかった項目は「未確認」、約束がない場合は「なし」でかまいません。空欄を埋めるために相手を追いかけるチェックではありません。

  • 相手が誰にどんな仕事を提供しているか、聞けた範囲を残した
  • 印象に残った話題と、相手が関心を示した内容を残した
  • 次の約束があるかを区別し、ある場合は内容・連絡する人・時期・方法を残した
  • 資料や連絡を断られた場合は、その希望を記録した

たとえば「製造業の業務改善を支援/受注から出荷への入力の話/対応範囲の資料を希望/明日こちらからメールで送付」と残せれば、次に行うことが分かります。

後日あらためて話すことになったら、経営者交流会後の個別面談の進め方で、詳しく聞く内容を整理できます。約束した資料の送付やお礼の書き方は、交流会後のフォローを営業につなげる方法が補足になります。

会話で見つけた共通点を、その後の紹介や共同の取り組みへ育てたい場合、SparkLaboは相手の探索・紹介、取り組みの設計、実行後の振り返りを支援します。まずは、次の交流会で「相手の返答を一つ受けてから聞く」ことと、「約束した範囲を残す」ことから試してみてください。