交流会で出会った経営者と、後日ゆっくり話すことになった。けれど、会社説明をした後に何を聞けばよいか分からない。「ぜひ何か一緒に」で終わる面談が続いている。そんなときは、面談で話す順番と、最後に決めたいことを先に用意します。
この記事の結論
経営者交流会後の個別面談では、会う目的をそろえ、お互いの顧客や困りごとを聞き、手伝えることを確かめます。最後に「誰が・何を・いつまでにするか」を決めます。30分なら、目的と短い会社紹介に5分、互いの話に15分、次の約束に10分を使う進め方が一例です。
この記事は、経営者交流会の後に1対1で会う相手が決まった人向けです。会場での自己紹介ではなく、後日の個別面談を進める方法を扱います。時間配分や会話文は、自社に合わせて使うための作成例です。
30分の個別面談は会社紹介を短くし次の約束まで話す
30分で話すなら、最初に互いの目的を確かめ、会社紹介を短く済ませます。残りの時間を、相手の仕事を知ることと、具体的な次の約束に使います。
SparkLaboには100回以上の経営者交流会を開催してきた経験があります。名刺交換の後も話を続けられるよう、この記事では個別面談の進行例を次のように整理します。
- 最初の5分で、会う目的と互いの仕事を確認する。「今日は○○について伺い、互いに手伝えることがあるか相談できればと思っています」と伝え、相手が話したいことも聞く。会社の沿革や全サービスの説明は必要な部分に絞る。
- 次の15分で、お互いの顧客と困りごとを聞く。相手の話を聞いた後、自社でも似た相談があるか、どの部分なら対応できるかを共有する。話の内容に応じて両者の時間を分ける。
- 最後の10分で、次にすることを決める。資料を送る、相談内容を整理する、別の担当者を交えて話すなど、双方が進めたい作業を一つ選ぶ。誰がいつまでに行うかを確かめる。
最初に「今日は30分と伺っていますが、お時間は大丈夫でしょうか」と終了時刻をそろえておきます。込み入った相談が出たときは、時間を延ばしてよいか尋ねるか、次の面談へ分けます。決めた時間を超えて説明を続けないことも、次に話しやすい関係につながります。
面談前は聞きたいことと見せる資料を一枚に絞る
面談前は、相手のWebサイトと交流会のメモを見直します。準備するのは大量の会社資料ではなく、「何を聞くか」「何を見せるか」が分かる一枚のメモです。
- 相手の事業と主な顧客を確認し、会場で聞いた話と、まだ確かめていないことを分けた
- 今回聞きたいことを一つ決め、相手へ事前に伝えた
- その話題に関係する自社の支援例や資料を選び、すぐに見せられるようにした
- 互いの終了時刻と、オンラインなら接続先を確認した
たとえば自社が営業支援会社で、相手がWebマーケティング支援会社なら、メモは「広告で問い合わせが増えた後、営業対応の相談も受けているかを聞く。自社からは問い合わせ対応の支援範囲を説明する」で十分です。
聞いた事実と推測は分けます。相手のサイトに「集客支援」と書いてあっても、「営業対応を外注したいはず」とは決めません。面談では、その部分を質問して確かめます。
まだ会う相手を選んでいる段階なら、経営者交流会の後、誰と2回目に会うかの優先基準で選び方と誘い方を確認できます。
相手の困りごとは一つの相談場面から聞く
質問は、相手の会社を幅広く調べるためではなく、一緒に仕事ができる場面を知るために使います。「どんなお客さまが多いですか」と聞いたら、その中の一例をもう少し詳しく聞いてみます。
以下は、営業支援会社がWebマーケティング支援会社と話す場合の会話例です。
広い答えが返ったら最近の一例を聞く
自分:最近、お客さまからどんな相談を受けることが多いですか。
相手:集客についての相談が多いですね。
自分:差し支えない範囲で、最近の相談を一つ教えていただけますか。
相手:広告を始めて問い合わせは増えたのに、商談につながらないという相談がありました。
自分:問い合わせが来た後は、どのように対応されていますか。
相手:社長が一人で対応していて、連絡が遅れてしまうという話はあります。
自分:広告の数を増やすというより、問い合わせを受けてから話すまでの対応に困っている、という理解で合っていますか。
相手が話した内容を短く言い直して確認すると、思い込みのまま提案することを防げます。想定した相談がないと言われたら、「では、最近多いのはどのような相談ですか」と聞き直します。自社に都合のよい答えへ誘導しないことが大切です。
顧客名を聞かなくても、業種、担当者の立場、困っていた場面は確認できます。相手が話せる範囲の例を聞けば、必要な情報を得られます。
聞いた内容につながる自社の仕事だけ説明する
相手の相談場面が分かったら、その場面に関係する自社の仕事を伝えます。すべてのサービスを順番に説明する必要はありません。
その話に近い業務で、当社は問い合わせ後の電話対応や商談の進め方を支援しています。御社が集客を担い、その後の対応を当社が手伝う分担は考えられそうです。対応できる範囲を簡単にご説明してもよいでしょうか。
自社の説明後は、「今伺ったお客さまの状況には合いそうでしょうか」と相手へ戻します。合わないと言われたら、どこが違うのかを聞きます。顧客の規模、対応時期、求める作業が違うと分かれば、今は提案しないという判断もできます。
相手が顧客か紹介者か協業相手かで確認する内容を変える
面談相手との仕事の進め方は、相手自身へサービスを提供する、相手の知人や顧客を紹介してもらう、両社で一緒に顧客を支援する、という三つに分けて考えられます。順に「顧客候補」「紹介者候補」「協業候補」と呼びます。
一人を無理にどれか一つへ分類する必要はありません。まず、今日話している困りごとが相手の社内のことなのか、相手の顧客のことなのかを確認します。
相手自身が困っているなら現状と検討時期を聞く
相手の会社が自社の支援を必要としているなら、現在の状況と、いつ変えたいかを聞きます。
- その仕事は、今はどなたが担当していますか
- どの作業で時間がかかったり、対応が止まったりしていますか
- いつ頃までに、どんな状態にしたいですか
次に「具体的な支援案も一度見てみたいですか」と、提案を受ける意思を確かめます。希望があれば、提案に必要な情報と次に参加してほしい担当者を相談します。まだ情報収集なら、参考資料を送って終える方が相手の状況に合います。
SparkLaboの顧客である経営コンサルティング企業では、紹介された経営コンサルタント本人が顧客になった例があります。1対1で話したところ、コンサルティングなどの形のないサービスの売上を伸ばす支援が相手の事業に合い、契約につながりました。同業種であっても、紹介者や協業先と決めつけず、相手自身の事業課題を確かめてみましょう。
紹介してもらうなら紹介しやすい条件を聞く
相手の顧客や知人に役立てそうな場合は、すぐに名前を挙げてもらうより、どんな相談なら紹介を検討できるかを確かめます。
- そのような相談を受けたとき、今はどのように対応していますか
- 外部の支援先を紹介する前に、何が分かっていると安心ですか
- 当社の説明で、紹介先に伝えにくいところはありますか
「誰でも紹介してほしい」では、相手は自分の顧客に勧めてよいか判断できません。「問い合わせへの初動対応を代表が抱えている会社なら、この業務から相談できます」のように、紹介を考える場面と対応範囲を伝えます。
自社からも「どのような相談が出たら、御社をご紹介してよいでしょうか」と聞きます。実際に紹介するときは、つなぐ双方の意向を確かめてから連絡先を共有します。
一緒に支援するなら仕事の分担を聞く
同じ顧客を違う仕事で支えられそうなら、どこまでを誰が担当するかを話します。最初から大きな提携を決めず、一つの相談を想定して確認すると具体化できます。
- 御社はどの業務まで対応し、その先はどうされていますか
- 一緒に支援する場合、顧客からの連絡を最初に受けるのはどちらがよさそうですか
- 試すなら、どんな顧客のどんな相談から始められそうですか
SparkLaboの顧客事例では、価格比較に悩んでいたマーケティング支援企業に、Web制作・システム開発会社などとの協業を提案し、協業経由で3か月以内に月額30万円の契約が生まれました。この月額契約を1年分に換算すると360万円です。相手が接している顧客と、自社が担当できる仕事を知ることは、こうした協業を検討するための出発点になります。
最後に担当・作業・期限を決めて面談を終える
面談の終わりには、今日分かったことを確認し、「誰が・何を・いつまでにするか」を一つ決めます。「今後何かあれば」だけでは、次に連絡する人も用件も決まりません。
たとえば紹介先へ説明しやすい資料が必要なら、次のように合意できます。
私から金曜までに、対応できる業務を一枚にまとめてメールでお送りします。御社のお客さまに合いそうな内容か、翌週の水曜までに気になる点を返していただく進め方でいかがでしょうか。
相手の作業も一方的に決めず、無理のない期限を相談します。その場で紹介や発注を約束してもらう必要はありません。まず説明を確認してもらうだけでも、次に進められます。
面談後に自分が残すメモは、次の程度で十分です。以下は記入例です。
項目 | 記入例 |
|---|---|
相手が受けている相談 | 問い合わせが増えた後、代表が営業対応を抱えている |
今回決めたこと | 当社の対応範囲を一枚にし、紹介できそうな内容か見てもらう |
自分の作業と期限 | 金曜までに資料をメールで送る |
相手にお願いしたこと | 翌週水曜までに、顧客と合わない点を返信してもらうことで合意 |
約束したものを送れたか、返信を受けて次に進めるかが、この面談の確認ポイントです。資料を作るだけで終わらず、相手に届いて次の判断に使われるところまで見ます。
話しすぎや曖昧な返事が続いたらその場で立て直す
予定どおりに会話が進まなくても、質問や終わり方を変えれば、無理に商談へ持ち込まずに面談を終えられます。
自分や相手の説明が長くなったとき
自分が話しすぎていると気づいたら、「ここまでで、御社のお客さまの状況に近いところはありましたか」と相手に戻します。残り時間が少なければ、「残り10分ほどなので、互いに次にできることを確認させてください」と区切ります。
相手からのサービス案内が続き、当初の目的と違う場合は、「今日は協業できる範囲を知りたくてお時間をいただきました。導入の検討とは別に、その点をご相談できますか」と話題を戻します。協業の話ができない、購入予定もない場合は、検討していないことを伝えて終えてかまいません。
具体的な約束が作れなかったとき
相手の返事が「何かあれば」だけなら、こちらから紹介や次回面談を押し込みません。「今は具体的に進める話はない、という理解でよいでしょうか」と確認します。
時期が先なら、相手が希望するタイミングで連絡する約束を相談します。仕事の接点が見つからなかったなら、無理に宿題を作らず、お礼を伝えて終えます。何をすれば進むかが分かった面談と、今は進めないと分かった面談を分けて記録すれば、目的のない再面談を減らせます。
次の面談では、相手に聞きたいことを一つ書き、終了前に「誰が・何を・いつまでに」を確認するところから始めてください。お礼の連絡や、その後の接点を続ける方法は、経営者交流会後のフォローを案件につなげる方法で整理しています。

