「新しい取引先を増やしたい」と調べても、企業検索サイト、経営者交流会、担当者による紹介など、選択肢はさまざまです。名前が似ていても、顧客を探す場所と、仕事を頼む会社を探す場所では使い方が違います。
BtoBビジネスマッチングは、企業同士をつなぎ、取引や協業のきっかけを作る仕組みです。この記事では、新規案件を増やしたい経営者に向けて、目的別の候補と選び方を整理します。
この記事の結論
BtoBビジネスマッチングサービスは、自社が顧客を探すのか、発注先を探すのか、紹介・協業相手を探すのかを先に決め、会える相手、面談までの仕組み、面談後に必要な自社の作業、総費用を比べて選びます。
最初に売る・頼む・組むの目的を決める
まず「誰と会えれば、何が前に進むのか」を一文にします。この記事では、利用目的を実務上「売る・頼む・組む」の三つに分けて考えます。同じ企業が複数の役割を持つ場合もありますが、最初の打診では目的を明確にしましょう。
自社の商品を売るために顧客を探す
探すのは、自社のサービスで解決できる課題を持つ企業です。例えば採用支援会社なら、「採用活動を進めたいが、社内に担当者が足りない会社」が顧客候補になります。
ここで必要なのは、単に経営者と会えることだけではありません。相手に課題や検討の意思があり、自社の提案を聞く目的で会ってもらえるかが大切です。双方が売り込みだけを期待していれば、話はかみ合いません。
仕事を頼むために発注先を探す
ホームページ制作や営業業務などを外部へ依頼したい場合は、条件に合う企業を紹介し、提案や見積もりを比べられるサービスが候補です。「何を、いつまでに、どこまで任せたいか」を用意すると相談を進めやすくなります。
このとき自社は買い手です。同じサービスを新規営業に使いたいなら、仕事を受ける企業向けの登録条件や料金を確認します。発注者向けの無料相談を、そのまま営業活動に使えるとは限りません。
紹介・協業できる相手と組む
自社の商品を買う会社だけでなく、顧客を紹介し合う相手や、一緒に提案する相手も探せます。
例えば、Web制作会社と広告運用会社は、顧客の「サイトを作りたい」「集客を増やしたい」という前後の相談を分担できます。このような補完関係があれば、相手自身が今すぐ発注しなくても、一緒に顧客を支える可能性があります。
協業相手を探す場合は、「経営者なら誰でも」から一歩進めて、「同じ顧客層に、別のサービスを提供している会社」と条件を置いてみてください。目的が決まったら、以下の候補から会い方を選び、面談後を担えるかと総費用を確認します。
目的別に確認したいビジネスマッチングサービス4選
2026年9月16日に確認した公式情報をもとに、用途の違いが分かる四つの候補を挙げます。自社に向くかは、以下の目的・仕組み・準備で判断してください。
候補 | 主に検討する目的 | 接点の作り方 | 自社が用意したいこと |
|---|---|---|---|
チラCEO | 決裁者との営業・提携の接点を作る | メッセージ、イベント、担当者の紹介 | 会いたい企業像と、相手に会う理由 |
WizBizの経営者交流会 | 経営者等と広く話し、取引・紹介・協業の可能性を探る | オンラインの少人数グループ交流 | 自己紹介と、会った後の個別連絡 |
AUBA | 他社と新しい事業を作る | 企業とのマッチング、事業づくりの支援 | 自社の強みと、一緒に取り組みたいテーマ |
PRONIアイミツ | 仕事を依頼する企業を探す | コンシェルジュへの相談、候補の紹介 | 依頼範囲、予算、納期、比較したい条件 |
チラCEOは決裁者との営業・提携の接点を作る候補
チラCEOは、決裁者同士のメッセージ、イベント、担当者による紹介を通じて接点を作るサービスです。公式案内では社員数10名以上の法人の決裁者を審査対象とし、料金はプランごとの月額定額制としています。チラCEOの公式案内
自社の代表や役員が相手と話し、営業や提携の可能性を探りたい場合の候補です。対象に合う企業がいるか、どの機能や紹介支援が契約プランに含まれるかを確認しましょう。面談後の提案まで自社で進める体制も必要です。
同社の無料のONLYSTORYは営業行為ができず、相談先・発注先・提携先を探す用途として案内されています。営業目的なら、無料登録の案内とチラCEOの条件を区別してください。オンリーストーリーのサービス一覧
WizBizの交流会は経営者等と広く話す候補
WizBizの「0円ビジネスマッチング経営者交流会」は、少人数グループで会話するオンライン交流会です。経営者・役員・個人事業主などを対象に、無料で参加できる形式として案内されています。参加できない勧誘目的なども公式ページに記載されています。WizBizの開催案内
相手の仕事や顧客層を直接聞き、紹介・協業の可能性を広く探りたい場合に検討できます。特定業種の購買担当者だけに会いたい場合は、参加者層が目的に合うかを先に確かめてください。終了後の個別連絡は自社で計画しておきます。
交流会の形式をさらに比べたい場合は、経営者交流会の選び方で参加者層や会話形式の見方を確認できます。
AUBAは新しい事業を一緒に作る相手を探す候補
AUBAは、企業同士が強みを持ち寄って新しい事業を作るためのマッチングと、事業づくりの伴走支援を提供しています。受発注を目的とした利用は対象外です。AUBAの公式案内
例えば、自社の技術と他社の販売先を組み合わせて、新サービスを作りたい場合の候補です。自社が提供できる技術・顧客接点・知見と、相手に求める役割を説明できると検討が進みます。
既存商品を買う顧客を探す用途ではなく、一緒に事業をつくる相手を探す用途で検討してください。
会員向け機能と伴走支援のどこまでを利用するか、費用も含めて確認しましょう。
PRONIアイミツは発注先を探す候補
PRONIアイミツは、企業の発注先探しを支えるBtoB受発注サービスです。IT制作、広告・販促、人事総務などの領域を扱い、コンシェルジュが依頼内容を聞いて候補紹介や相見積もりを支援します。PRONIのサービス案内
依頼したい仕事があり、複数社の対応範囲や提案を比較したい場合の候補です。一緒に新しい事業を考える相手を広く探す用途とは、相談の出発点が異なります。
新規案件を受けるために利用したい企業は、仕事を受ける側には別のパートナー向け窓口があることを確認してください。紹介される案件の分野や条件、受注側の料金はそこで確かめます。PRONIの問い合わせ窓口
申込前は相手の適合度・自社の手間・総費用で比較する
候補を絞ったら、登録企業数や面談件数だけで決めず、次の三つを同じ条件で比べます。無料か有料かより先に、「自社の目的で使えるか」を確認してください。
会いたい相手がいて、会う目的も合うか
対象の業種、企業規模、地域、役職を伝え、どのような企業と接点を作れるかを質問します。登録総数が多くても、自社が必要とする相手が少なければ活用しにくくなります。
さらに、「相手は何を期待して面談するのか」も確認します。例えば「採用支援を検討する会社に営業したい」と「採用支援会社と協業したい」では、同じ人材業界でも相手の条件が変わります。営業利用の可否や、紹介を断れる条件も見ておきましょう。
相手探しから面談後まで誰が動くか
候補の検索、打診、日程調整、面談、提案、次回連絡を並べ、自社と運営の担当を分けます。自分で検索できるサービスは動き方の自由度が高い一方、候補を調べて連絡する時間が必要です。
紹介担当者がいる場合も、日程を決める支援と、相手に会う目的を事前に共有する支援は違います。「担当者がつく」という説明だけで、必要な作業を任せられると判断しないでください。
相手に会う時間は確保できても、提案や連絡が止まってしまうなら、まず社内の担当を決めるか、その部分を支援するサービスを探します。面談が増えるほど自社の作業も増える点は、利用前に見込んでおきたい負担です。
料金と時間を、契約期間全体で見積もる
費用は、初期費用、月額・年額、参加料、面談や紹介にかかる料金、成約時の手数料を分けて確認します。「成果報酬」と書かれていても、課金対象が面談成立なのか、契約成立なのかで負担は変わります。
例えば月額だけが予算内でも、最低契約期間が長ければ途中で用途を変えにくくなります。検索・面談・フォローに使う社内時間も含め、続けられる総負担で比べましょう。
- 自社の業種・規模・役職が利用条件を満たし、営業や紹介依頼が許されている
- 会いたい相手の例と、相手が面談する目的を確認した
- 候補探索から面談後まで、自社と運営が担う作業を分けた
- 最低利用期間中の総額と、追加料金が発生する条件を確認した
- 試用の範囲、更新日、解約期限、途中解約の条件を確認した
- 企業情報や連絡先が誰に共有され、退会後にどう扱われるかを確認した
出会いを商談・紹介につなげるには
選んだサービスは、使い始める前に「どんな前進があれば続けるか」を決めます。試用や単発参加ができるなら、その範囲で相手の適合度と自社の負担を確かめてください。
- 会いたい相手と目的を一文にする。「中小企業を顧客に持つWeb制作会社と会い、広告運用で協力できるか確かめる」のように書きます。
- 面談で相手の顧客層と困っている相談を聞く。合いそうなら、事例の共有、次回相談、共同提案の検討など、双方が納得した次の行動と日程を決めます。
- 一定期間で振り返る。会った件数、目的に合う相手の数、次の行動へ進んだ数、使った時間を分けて記録し、継続か見直しかを決めます。
例えばWeb制作会社と話して、「公開後の広告運用を頼まれるが、対応できていない」と分かったとします。広告運用会社なら、対応できる相談と費用感を共有し、顧客への紹介前に何を確認するかをすり合わせられます。これは活用場面を示す例です。「何かあればお願いします」で終わらず、どんな相談なら次に進めるかを決めることが要点です。
目的に合う相手に会えないなら、サービスや検索条件を見直します。相手は合うのに話が進まないなら、提案内容や面談後の連絡を見直します。この二つを分けると、サービスを増やすべきか、自社の進め方を直すべきか判断できます。連絡文や約束の管理は、面談後のフォローを営業につなげる方法も参考になります。
紹介・協業の相手が見つかると、自分が毎回新しい顧客を探す以外の営業ルートも作れます。SparkLaboの顧客事例では、SNSと知人紹介が中心だったBPO・オンラインアシスタント企業が、3か月で1件あたり月額10万円の契約を2件獲得しました。年換算では240万円です。支援では、士業、人事・採用支援会社、補助金・経営コンサル、成長企業の経営者との接点を広げました。
このように、今すぐ自社の商品を買う会社だけでなく、顧客の困りごとを聞いている相手とつながることも、新しい案件獲得の選択肢になります。
SparkLaboは、紹介・協業相手との出会いから、紹介の仕組みづくりや共同施策、毎月の振り返りまで支援します。5,000社以上との直接接点を土台に候補を探し、毎月2〜5社を目安にパートナー候補を紹介します。ここでいう候補は、一緒に顧客開拓へ取り組む相手であり、自社へ発注する顧客の件数ではありません。
2026年7月時点の基本プランは月額5万円、初期費用5万円で、いずれも税別です。契約期間は12か月、月払いの場合は10%加算となります。候補探索・紹介、施策の企画・運営、毎月の振り返りが含まれます。相談時に、必要な支援の範囲と最新の料金・契約条件を確認してください。
自社で相手探しやフォローを続けられるなら、まず目的に合うマッチングサービスを活用できます。紹介や協業を営業ルートとして育てたい一方で、誰と組むか、何を一緒に進めるかで止まっているなら、SparkLaboで取り組み方から相談できます。
