BtoB共催ウェビナーの役割分担|企画から開催後フォローまでの決め方

BtoB共催ウェビナーの準備漏れとリード放置を防ぐため、企画・集客・制作・当日運営・参加者情報・開催後フォローの主担当、期限、成果物、引き渡し条件の決め方を解説します。

目次

共催ウェビナーは、二つ以上の会社が専門性や顧客接点を持ち寄って開催するオンラインセミナーです。ただし、「自社は企画、相手は集客」のように会社単位で大きく分けるだけでは、資料確認、申込管理、当日の質問対応、開催後の連絡が担当不在になりやすくなります。

ここでいうリードとは、ウェビナーへ申し込み、将来の相談や商談の候補になり得る参加者です。リードを放置しないためには、開催作業だけでなく、参加者情報の扱いと次の連絡まで役割表へ入れる必要があります。

この記事の結論

BtoBの共催ウェビナーは、会社単位で半分ずつ分けるのではなく、目的・企画・集客・制作・登壇・当日運営・参加者情報・開催後フォローの工程ごとに、共同決定事項、主担当となる一社、確認者、期限、完了状態、引き渡し先の六項目を決めて分担します。特に参加者情報の利用範囲と、反応別に誰がいつ連絡するかは、申込ページ公開前に合意します。

共催ウェビナーの役割分担は工程ごとに主担当と期限を一つずつ決める

共催ウェビナーの役割は、両社で作業量を半分にするのではなく、工程ごとに「誰が完了させるか」を一つに決めます。両社が関わる仕事でも、主担当を一社にすると、確認待ちや二重作業を減らせます。

この記事では実務上、役割分担を「共同決定」「主担当」「確認者」「期限」「完了状態」「引き渡し先」の六つで整理します。担当者名だけではなく、何ができたら次の工程へ渡せるかまで書くのがポイントです。

共同で決めることと一社が実行することを分ける

目的、参加対象、テーマ、参加者情報の利用範囲、開催後のフォロー方針は、一社だけで決めると後から認識がずれます。これらは両社の共同決定事項です。

一方、企画書の原案作成、申込ページの公開、告知文の作成、配信ツールの設定、お礼メールの送信など、成果物を作る仕事には一社の主担当を置きます。共同決定と共同作業を同じ意味にしないことが、責任の空白を防ぎます。

担当名ではなく完了条件と引き渡し先まで書く

「資料はA社」のような書き方では、構成案、登壇資料、配布資料のどこまでが担当か分かりません。「A社が構成案を作り、B社が内容を確認し、登壇者全員が承認した版を事務局へ渡す」のように、完了状態と引き渡し先を書きます。

期限は「開催前」のような広い表現ではなく、「申込ページ公開の前」「告知開始の前」「リハーサルの前」のように、次の工程から逆算します。役割表を実際に使うときは、その基準を年月日と必要な時刻へ置き換えます。申込ページ、告知素材、登壇資料などで期限が異なる場合は行を分け、振り返り日も開催前に実日付で決めます。遅れたときに誰が判断するかも決めておくと、無言の待ち時間を減らせます。

両社をつなぐ共通事務局を置く場合も、実際に完了判断をする主担当はどちらか一社の担当者に決めます。各社が告知や個別連絡を実行する工程では、共通事務局が進捗を集約し、次の工程へ渡す責任を持ちます。

工程

共同決定事項

実行主担当

確認者

完了状態

引き渡し先

期限

目的・対象

主目的、参加者像、扱う課題

企画事務局を担う一社

両社責任者

合意内容が一文で記録されている

企画担当

企画着手前

企画

構成、登壇順、参加後の導線

課題理解が深い一社

相手社の登壇責任者

構成と登壇順の承認版がある

集客・制作担当

告知制作前

集客

告知対象、文面、送信日、集計方法

共通事務局を担う一社

各社の集客担当

各社の送信予定と実績が一つに集約されている

申込管理担当

告知開始前

制作・申込

申込項目、告知素材、登壇資料

制作体制を持つ一社

両社登壇者

申込ページと各素材の承認版がある

当日運営担当

公開・リハーサル前

当日運営

進行、質問対応、トラブル判断

配信経験がある一社

両社責任者

司会、操作、時間管理、判断者が決まっている

開催後フォロー担当

リハーサル前

参加者情報

共有項目、利用目的、保管・削除ルール

申込管理を担う一社

両社の情報管理責任者

共有範囲、保管先、更新責任者が記録されている

開催後フォロー担当

申込ページ公開前

開催後フォロー

反応別の担当、連絡期限、共同対応条件

共通事務局を担う一社

両社営業責任者

全参加者の担当または継続接点が決まっている

各担当会社または共同商談主担当

役割は公開前、実行日は開催前に確定

振り返り

成果、運営課題、次回の変更点

共通事務局を担う一社

両社責任者

変更する工程、主担当、期限が記録されている

次回企画担当

開催前に決めた実日付

主担当例と期限の基準は固定ではありません。各社の顧客接点、専門性、制作体制に合わせて入れ替え、実行時は期限を年月日と必要な時刻へ置き換えます。

申込ページを公開する前に目的・対象・成功条件を合意する

企画前に両社で合意するのは、主目的、参加者像、扱う課題、成功条件です。ここが曖昧なまま作業を分担すると、片方は認知拡大、もう片方は個別相談の獲得を期待し、告知文や登壇内容がばらばらになります。

目的は一つを主目的にする

目的は、認知を広げる、具体的な課題を持つ参加者と出会う、個別相談の入口を作る、共催相手との次の施策を検証する、といった候補から主目的を一つ選びます。他の目的を捨てる必要はありませんが、判断に迷ったときに優先するものを決めます。

たとえば個別相談の入口を主目的にするなら、参加者数だけでなく、アンケートで具体的な課題が分かったか、次の会話を希望した人がいたかまで確認します。認知拡大が主目的なら、営業担当が全参加者へ急いで連絡する運用は目的と合いません。

参加者像と扱う課題を一文にする

参加者像は業界や役職だけでなく、今どのような状態に困っているかまで決めます。「中小企業の経営者」より、「新規リードはあるが商談化せず、営業とマーケティングの連携を見直したい中小BtoB企業の経営者」の方が、企画と告知の判断に使えます。

扱う課題も、両社のサービス名を並べるのではなく、参加者が解決したい一つの問いにします。共催相手の選び方や課題起点のテーマ設計から見直したい場合は、共催ウェビナーでリード獲得を増やす全体設計も補足として使えます。本記事だけでも役割は決められますが、相手選びと商談化まで含む全体像を確認できます。

成功条件は開催中の反応と次の会話まで置く

成功条件を申込数だけにすると、集客担当だけが重くなり、登壇内容や開催後フォローの責任が薄くなります。申込、参加、質問、アンケート、資料希望、個別相談、次回企画のうち、今回の目的を判断できる項目を選びます。

ここでは数値目標を一律に決めるのではなく、誰がどの実績を記録し、開催後にどの状態なら次の会話へ進めるかを合意します。結果を集計する担当も、この段階で役割表へ置きます。

企画から当日までの担当と承認期限を決める

企画から当日までは、作業を企画、集客・申込、制作・登壇、当日運営へ分けます。各工程に原案担当と確認担当を置き、次の工程が始まる前を承認期限にします。

  1. 主目的、参加者像、扱う課題を両社で合意する
  2. 構成案、登壇順、参加後の導線を企画担当が原案にする
  3. 告知先、告知文、申込ページ、申込管理の担当を決める
  4. 登壇資料と配布資料を作り、リハーサル前に承認する
  5. 司会、時間管理、質問対応、配信操作、トラブル時の判断者を決める
  6. リハーサルで引き渡しと当日の動きを確認する

企画と制作は原案担当と確認担当を分ける

企画の原案は、参加者の課題をよく理解している会社が作ると進みやすくなります。相手社は、自社の顧客へ伝えても誤解がないか、両社の専門性がつながっているかを確認します。

制作では、申込ページ、告知素材、登壇資料、配布資料を別の成果物として扱います。すべてを「資料作成」にまとめず、原稿、デザイン、最終承認の担当を分けます。修正依頼を出せる人を絞ると、版が複数に分かれるのを防げます。

集客と申込管理は窓口を一つにする

集客は両社がそれぞれの顧客接点で進めても、申込先と集計方法は共通にします。別々の申込フォームや集計表を使うと、重複申込、案内漏れ、最新数値の食い違いが起きやすくなります。

各社は、どの対象へ、どの告知文を、いつ届けるかを役割表へ記録します。共通事務局は申込状況を更新し、告知の追加や停止を判断する材料を両社へ渡します。

登壇と当日運営は話す人と回す人を分ける

登壇者が司会、画面共有、時間管理、質問選定まで兼ねると、参加者の反応を見落としやすくなります。登壇者とは別に、司会、配信操作、時間管理、チャット・質問対応を割り当てます。

接続不良、登壇者の遅刻、資料の表示不具合が起きたときに、継続、中断、順番変更を誰が判断するかも決めます。リハーサルでは登壇内容だけでなく、担当間の引き渡しと判断経路を確認します。

参加者情報は共有範囲・利用目的・保管先を開催前に決める

参加者情報は、両社へ名簿を渡す前提にせず、共同運営と合意したフォローに必要な範囲だけを共有します。何を取得し、両社のどちらが、どの目的で使い、どこへ保管するかを申込ページ公開前に決めます。

共有する情報はフォローに必要な項目へ絞る

会社名、役職、連絡先、申込時の課題、アンケート回答など、取得できる情報をすべて共有する必要はありません。共同で対応する相談に必要な情報と、一社だけが扱う情報を分けます。

申込時に参加者へ示した利用目的や共有先と、実際の営業利用がずれないことを確認します。両社で扱う場合に必要な案内や同意、個人情報の管理方法は、各社の責任者や必要に応じて専門家へ確認してください。

保管場所と更新責任者を一つにする

共有する情報は、アクセスできる担当者を決めた一つの管理場所へ置きます。メール添付で複数の名簿を送り合うと、どれが最新版か分からず、対応状況も分散します。

管理場所には、参加者情報だけでなく、主担当、最終連絡日、反応、次の対応、共同対応の要否を記録します。更新責任者を一人決め、両社が同じ状態を見られるようにします。

開催後フォローは反応別に主担当・期限・引き渡し条件を決める

開催後フォローは、全参加者を両社で追うのではなく、共通連絡、一社の担当領域、両社にまたがる相談、継続配信に分けます。それぞれに主担当、連絡期限、共同対応へ切り替える条件を置きます。

全員への共通連絡は事務局がまとめる

お礼、視聴方法、配布資料、アンケートなどの共通連絡は、事務局が一つの文面で送ります。両社から似たメールが届く状態を避け、参加者が次に何をすればよいか分かる内容にします。

共通連絡の担当は、送信後に到達状況や返信を確認し、個別対応が必要な反応を担当会社へ渡します。送信して終わりではなく、引き渡しまでが事務局の完了条件です。

個別連絡は課題の担当領域で振り分ける

申込時の課題、当日の質問、アンケート、返信から、相談の中心が一社の専門領域にある場合は、その会社が主担当になります。情報収集段階で個別相談を望んでいない参加者には、資料や次回案内など負担の少ない接点を選びます。

参加者の反応を確認した日を起点に、担当会社へ渡す日時、担当会社が個別連絡の要否を判断する日時、連絡する日時、未対応なら事務局へ戻す日時を実日付で決めます。一律の日数を当てはめず、参加者へ案内した内容と両社の体制に合わせます。

両社にまたがる相談は共同商談の主担当を決める

参加者の課題が両社の領域にまたがる場合は、共同商談にするか、先に一社が状況を整理してから相手社へつなぐかを決めます。共同商談でも、日程調整、事前確認、議事メモ、次の連絡の主担当は一社です。

紹介料、契約主体、提案範囲など、商談後の条件はウェビナーの役割表と分けて合意します。開催直後に決めようとすると参加者対応が遅れるため、共同対応へ切り替える条件だけは開催前に置きます。

開催後は成果と運営課題を分けて振り返る

開催後の振り返りでは、ウェビナーの成果と、両社の運営が滞った原因を分けて確認します。成果が弱くても運営は適切だった場合と、参加者の反応はあっても引き渡しが遅れた場合では、次に直す場所が異なります。

成果は次の会話が生まれたかで見る

申込数や参加数に加え、対象としていた参加者が集まったか、質問やアンケートから具体的な課題が見えたか、資料送付や個別相談など次の会話へ進んだかを確認します。

両社が別々にフォローした場合も、個人情報の取り扱いルールを守れる範囲で、対応済みか、次の接点があるかを共通の振り返りへ戻します。片方だけが結果を知っている状態では、共催施策として改善できません。

運営課題は遅れと手戻りの原因で見る

企画や資料の承認が遅れた、申込情報が分散した、当日の質問を拾えなかった、フォローの引き渡しが止まった、といった事実を工程別に確認します。担当者個人を責めるのではなく、主担当、期限、完了条件、判断者のどれが不足していたかを見ます。

次回は、変更する工程、主担当、期限を一つずつ決めます。役割表を毎回作り直すのではなく、実施後の学びを反映して共通テンプレートにすると、別の共催相手とも準備しやすくなります。

  • 参加者への共通連絡が完了している
  • 個別フォローの主担当と現在の状況を両社が確認できる
  • 両社にまたがる相談の次の担当が決まっている
  • 成果と運営課題を分けて記録している
  • 次回に変える工程、主担当、期限が決まっている
  • 不要になった参加者情報を自社のルールに沿って扱っている

自社と共催先だけでは、企画・集客・制作の主担当を置けない場合は、不足する工程を外部支援へ切り出す方法があります。SparkLaboでは、共催ウェビナーの企画・運営を基本プランで扱っています。

また、企画・集客・クリエイティブ制作・申込ページ制作までをまとめて依頼する個別支援は、2026年7月時点で1開催あたり税別10万円からです。最終費用は依頼範囲によるため、役割表で自社・共催先・支援会社の担当を分けてから相談すると、必要な支援を整理できます。