共催ウェビナーは、BtoB企業にとって有効なリード獲得施策の一つです。自社だけでは接点を持てない見込み顧客に、パートナー企業の信頼を借りて出会えるからです。
一方で、実際には「申込者は集まったが、その後の商談につながらない」「参加者リストを営業に渡して終わった」「共催先との関係が次に続かない」という悩みも起きやすい施策です。ウェビナーを開催すること自体が目的になると、リード獲得は一度きりの集客で止まってしまいます。
共催ウェビナーで大切なのは、集客数だけを増やすことではありません。誰と組むか、どの顧客課題を扱うか、申込後にどのような会話へ進めるか、開催後に共催先と何を改善するかまで、最初から設計しておくことです。
この記事では、共催ウェビナーを単発イベントで終わらせず、信頼経由のリード獲得導線として機能させる考え方を整理します。
共催ウェビナーは「集客イベント」ではなく信頼を借りる接点づくり
共催ウェビナーの価値は、単に申込者を増やせることだけではありません。もっと重要なのは、共催相手がすでに持っている顧客接点や信頼を通じて、自社だけでは会いにくい見込み顧客に出会えることです。
たとえば、自社がマーケティング支援会社だとします。自社単独で「問い合わせを増やす方法」というウェビナーを開いても、すでに自社を知っている人や広告経由の接点が中心になるかもしれません。
しかし、Web制作会社や営業支援会社と共催すれば、相手が日頃から聞いている「サイトを作ったが問い合わせが増えない」「リードはあるが商談化しない」という相談に対して、自然な文脈で自社の知見を届けられます。
これは、パートナーマーケティングの一種です。パートナーマーケティングとは、パートナー企業との共催、相互配信、紹介などを通じてリードを獲得する考え方です。広告のように知らない相手へ一方的に届けるのではなく、相手がすでに信頼している接点を通じて情報を届ける点に特徴があります。
BtoBの高単価商材や無形商材では、初回接点の信頼度が商談化率に大きく影響します。説明が必要なサービスほど、「誰が紹介してくれたのか」「どんな課題文脈で聞いたのか」が重要になります。
そのため、共催ウェビナーは「何人集めたか」だけで評価すると本質を見落とします。見るべきなのは、どのような課題を持つ人が参加し、開催後にどのような相談や紹介につながったかです。
単発で終わる共催ウェビナーに起きがちな失敗
共催ウェビナーがリード獲得につながらないとき、原因は集客力だけではありません。よくある失敗は、開催前の設計不足にあります。
まず多いのは、共催相手を「集客してくれそうか」だけで選ぶことです。メールリストが多い、SNSのフォロワーが多い、過去にウェビナー経験がある。これらは大切な要素ですが、それだけでは商談化にはつながりません。
共催相手の顧客層が自社のターゲットと合っていなければ、申込者が増えても有効リードは増えません。反対に、参加者数は多くなくても、相手が自社ターゲットの課題を先に聞いている企業であれば、少数でも濃い接点になります。
次に、テーマが両社のサービス紹介に寄りすぎるケースがあります。「自社はこれができます」「共催先はこれができます」という説明が続くと、参加者にとっては営業色の強い時間になります。参加者が知りたいのは、サービス説明よりも、自社の課題をどう整理し、何を判断すべきかです。
また、開催後のフォローが決まっていないことも大きな問題です。申込者リストをダウンロードし、参加者へお礼メールを送り、営業担当が個別に連絡する。この流れだけでは、通常のリード獲得施策とあまり変わりません。
共催ウェビナーで得た接点は、共催相手との関係性も含めて活用する必要があります。どの参加者にどちらの会社が最初に連絡するのか、どの課題なら共同でフォローするのか、次回のコンテンツや個別相談へどうつなぐのかを、開催前に決めておくことが重要です。
リード獲得につながる共催相手の選び方
共催ウェビナーの成果は、テーマ作りの前に「誰と組むか」で大きく変わります。相性の良い共催相手は、自社と同じサービスを売っている会社ではなく、同じ顧客の別の課題を先に聞いている会社です。
たとえば、以下のような関係です。
自社の領域 | 相性の良い共催相手 | 顧客課題のつながり |
|---|---|---|
マーケティング支援 | Web制作会社、営業支援会社、CRM導入会社 | 集客後の問い合わせ不足、商談化不足を相談されやすい |
人材・採用支援 | 社労士、研修会社、人事コンサル | 採用、定着、組織課題を先に聞いている |
システム開発・DX支援 | BPO会社、DXコンサル、SaaS導入支援会社 | 業務改善や手作業の課題を把握している |
BPO・オンラインアシスタント | 税理士、社労士、システム会社 | バックオフィスの負荷や人手不足を見ている |
営業支援 | BtoBマーケ会社、CRM/SFA導入会社 | リード獲得後の商談化や営業管理の課題を聞いている |
共催相手を選ぶときは、次の観点で確認すると判断しやすくなります。
- 相手の顧客層と自社のターゲットが近いか
- 相手が日常的に聞いている課題が、自社サービスの前段・後段にあるか
- 互いに紹介しやすい顧客像を言語化できるか
- 相手にとっても共催するメリットが明確か
- 開催後のフォローを一緒に進める意思があるか
ここで注意したいのは、相手の知名度やリスト規模だけで判断しないことです。リード獲得につながる共催相手は、「たくさん届けられる相手」よりも「正しい課題文脈で届けられる相手」です。
テーマ設計では「両社が話したいこと」より顧客課題を起点にする
共催ウェビナーのテーマを考えるとき、つい両社のサービスを並べた企画になりがちです。しかし、参加者が申し込みたくなるテーマは、提供側の都合ではなく、顧客が今困っている課題から始まります。
たとえば「マーケティング支援会社と営業支援会社の共催セミナー」よりも、「リードはあるのに商談が増えない会社が見直すべき営業・マーケ連携」の方が、読者の悩みに近くなります。
人材会社と社労士であれば、「採用できない理由」だけでなく、「入社後に定着しない組織が採用前に見直すこと」という切り口が考えられます。Web制作会社とマーケティング支援会社であれば、「サイトリニューアル後に問い合わせが増えない理由」というテーマにできます。
良いテーマは、参加者にとっての問いが明確です。
- なぜ今の施策で成果が出ないのか
- 自社の場合、何を先に見直すべきか
- どの選択肢が自社に向いているのか
- 失敗しやすいポイントはどこか
- 相談するなら、どの段階で誰に相談すべきか
共催ウェビナーでは、両社が交互にサービス紹介をするよりも、顧客課題を二つの専門性から分解する方が価値が出ます。参加者は、単なるノウハウだけでなく「この2社は自社の課題を立体的に見てくれそうだ」と感じやすくなります。
また、テーマ設計の段階で、開催後にどのような相談が発生しそうかを想定しておくことも重要です。テーマが曖昧だと、参加後のフォローも「何かあればご相談ください」で終わります。テーマが具体的であれば、「営業体制の整理が必要な方」「Webサイト改善が先の方」「採用後の定着課題が強い方」のように、次の会話を分けやすくなります。
申込後から商談化までの導線を先に決める
共催ウェビナーでリード獲得を増やしたいなら、開催後ではなく開催前にフォロー導線を決めておく必要があります。参加者リストを得てから営業方法を考えると、対応が遅れたり、共催先との役割分担が曖昧になったりします。
設計しておきたいのは、少なくとも次の流れです。
- 申込時に、参加者の課題を把握できる設問を入れる
- 参加者を、顧客候補、パートナー候補、情報収集層に分ける
- どの参加者に、どちらの会社が最初に連絡するか決める
- 個別相談、資料送付、次回ウェビナー、紹介依頼などの次アクションを分ける
- 共催先と、フォロー状況を共有するタイミングを決める
申込フォームでは、会社名や役職だけでなく、課題に関する設問を入れるとよいです。たとえば「現在のリード獲得で困っていること」「商談化で課題になっていること」「導入検討している施策」などです。
ただし、設問を増やしすぎると申込率が下がることがあります。必要なのは、営業担当が後から連絡しやすくなる最低限の情報です。参加前の負担と、開催後の活用しやすさのバランスを取ります。
開催後のフォローでは、すべての参加者に同じメールを送るだけでは不十分です。反応が高かった参加者、アンケートで具体課題を書いた参加者、共催先の既存顧客に近い参加者などを分けて、次の会話を設計します。
さらに、共催先との振り返りも欠かせません。どちらのリストから来た参加者が商談化しやすかったか、どのテーマに反応があったか、次回はどの課題に絞るべきかを共有することで、単発開催ではなく継続施策にできます。
開催後の振り返りで見るべき指標
共催ウェビナーの振り返りで、申込数や参加率だけを見ると、次の改善点が見えにくくなります。もちろん集客数は大切ですが、リード獲得施策として見るなら、より後ろの指標まで確認する必要があります。
見るべき指標は、次のように分けられます。
- 共催相手別の申込数、参加数
- 参加者の業種、役職、会社規模、課題の一致度
- アンケートで具体課題を書いた人数
- 個別相談、資料請求、次回接点につながった人数
- 商談化したリードの質
- 共催先から追加紹介や別施策につながった件数
- 次回の共催テーマや相互配信につながる仮説
特に重要なのは、参加者の質と次の会話です。参加者数が多くても、ターゲット外の人が多ければ営業効率は上がりません。参加者数が少なくても、明確な課題を持つ決裁者や責任者が参加していれば、有効な施策だったと言えます。
また、共催ウェビナーは一度の開催だけで判断しない方がよい施策です。初回はテーマや集客文面の検証、二回目はより課題を絞った企画、三回目は別のパートナーとの横展開というように、学習を積み上げることで精度が上がります。
広告やテレアポと違い、共催ウェビナーは相手企業との関係性も資産になります。開催後に「また一緒にやりましょう」で終わらせず、次に紹介できる顧客像、共同で出せるコンテンツ、相互配信できるテーマまで話すことで、継続的なリード獲得チャネルに近づきます。
SparkLaboが支援できる領域
共催ウェビナーをリード獲得につなげるには、ウェビナー当日の運営だけでは足りません。共催相手の探索、相性の見極め、テーマ設計、集客導線、開催後のフォロー、振り返りまでを一連の流れとして設計する必要があります。
SparkLaboは、営業・リード獲得・案件獲得に限界を感じているBtoB企業に対して、相性の良い紹介パートナー・協業パートナーを探索し、紹介、共催ウェビナー、ソーシャルセリング、メール相互配信などの協業施策を設計・運用するサービスです。
共催ウェビナーにおいては、次のような領域で支援できます。
- 自社ターゲットと接点を持つ共催相手候補を探す
- 顧客課題の前後工程から、相性の良いパートナーを整理する
- 両社のサービス紹介ではなく、参加者の課題起点でテーマを設計する
- 申込後、参加後、個別相談までのフォロー導線を考える
- 実施後に振り返り、次回企画や別施策へつなげる
特に、マーケティング支援、コンサルティング、人材、システム開発、セールス支援、士業、BPOなど、説明が必要で信頼形成が重要なBtoB商材は、共催ウェビナーとの相性があります。
自社だけで集客し続けるのが難しい場合や、広告で集めたリードの商談化に課題がある場合は、共催ウェビナーを単発施策ではなく、パートナー経由の顧客獲得ルートとして設計し直す価値があります。
共催ウェビナーでリード獲得を増やすには、開催数や申込数だけでなく、誰と組み、どの課題を扱い、開催後にどの会話へ進めるかを設計する必要があります。
