「月額定額」と「1商談いくら」を並べても、決裁者マッチングの費用は比較できません。初期費用や最低契約期間、自社が面談に使う時間を加えると、想定した負担が変わるためです。
ここでは、商品・サービスの導入を判断する人との接点を作る決裁者マッチングと、紹介によってその相手との商談を作るサービスを扱います。公式に確認できる料金条件を整理し、自社の見積もりと回収条件をそろえる方法を説明します。
この記事の結論
決裁者マッチングの費用は、課金が発生する成果の定義と最低契約期間をそろえ、初期・月額・紹介報酬・追加料金・自社工数を含む総額を出し、同じ期間に得られる粗利で、受注が少ない場合も回収できるかを判断します。
決裁者マッチングの費用は、課金される条件から比べる
費用の違いを見分ける出発点は、利用する期間に支払うのか、紹介や面談などの件数に支払うのかです。月額固定でも初期費用が付くことがあり、成果報酬でも固定費が併用されることがあります。
例えば、チラCEOは月額定額制で金額は資料での確認、Saleshubは企業向けページに1商談3万円からという表示があります。ただし、後者の表示だけで初期費用や月額費用まで含むとは判断できません。各条件は次の節で確認します。
費用を判断するために、この記事では成果を次のように分けます。
- 接点ができる:メッセージを交わせる、紹介の打診が通る。
- 面談する:日程が決まり、実際に話す。
- 有効な商談になる:自社が支援できる課題と相手の役割が合い、具体的な検討に進む。
- 受注する:提案内容・金額・開始条件などに合意し、契約する。
「社長と会える」ことと、「自社のサービスを買う検討が進む」ことは別です。相手が経営者でも、ニーズがなければ情報交換で終わることがあります。大企業なら、役員との面談後に利用部門や購買部門の確認が必要な場合もあります。
チラCEOとSaleshubの公開料金・契約条件を比べる
ここでは料金方式の異なる2つの実在サービスを取り上げます。チラCEOは決裁者同士の接点を作るプラットフォーム、Saleshubはサポーターの知人紹介を通じて商談を作るサービスです。同じ成果物を売るサービスという前提ではなく、会いたい相手に到達するための支払条件を比較します。
以下は2026年9月17日に確認した公式公開情報です。「要確認」は無料という意味ではありません。プランや個別条件を含む最終額は見積もりで確認してください。
比較項目 | チラCEO | Saleshub |
|---|---|---|
接点の作り方 | 決裁者同士のメッセージ、イベント、担当者の紹介 | 会いたい企業・部署・役職を指定し、サポーターの人脈から紹介 |
初期費用 | 適用額を要確認 | 公式ヘルプは50万円・税別。適用条件を見積もりで確認 |
月額・固定費 | プラン別の月額定額制。金額は資料で確認 | 月額などの詳細は問い合わせ |
面談・成約に応じた費用 | 公式FAQでは成約時などの追加費用なし | 企業向けページは1商談3万円〜・税別。協力金には別途手数料が適用され、内訳を要確認 |
最低契約期間 | 申込書・サービス約款で確認 | 選べる契約期間と最低期間を要確認 |
面談の取消・条件不一致 | 補償や再調整、費用の扱いを要確認 | キャンセル規定あり。利用企業への返金・代替紹介の条件は要確認 |
自社が行うこと | メッセージやイベントの活用、面談・提案 | 紹介に必要な情報共有、商談・提案 |
チラCEOは、利用条件と月額に含まれる範囲を確認する
チラCEOはプラン別の月額定額制で、成約時などの追加費用はないと案内しています。メッセージ、イベント、担当者による紹介で接点を作る方式です。決裁者同士で利用するため、社員数10名以上の法人の決裁者を審査対象とする案内も確認してください。チラCEOの公式サービスページ
月額を支払えば、一定数の受注が付くという意味ではありません。自社が利用できる機能と、会いたい相手に接触できる範囲を確認し、担当者の活動時間を見積もります。有料会員の料金や決済条件は、申込書とチラCEOサービス約款に従うとされています。初期費用・期間・更新条件も、この適用書面でそろえます。ONLY STORY利用規約
無料のONLYSTORYは営業行為ができず、相談先・発注先・提携先を探す用途として案内されています。営業利用の有料プランと、無料という表示を混ぜて比べないようにしてください。ONLYSTORYのサービス案内
Saleshubは、商談単価に加えて固定費と手数料を確認する
Saleshubの企業向けページには、1商談3万円から・税別と表示されています。これは同社の商談単価表からの抜粋です。会いたい企業名・部署・役職を指定して紹介を探す仕組みのため、決裁者との面談を希望する場合は、その役割まで依頼条件に含めます。Saleshubの企業向け案内
Saleshubは決裁者だけに対象を限定した仕組みではなく、担当者や役職者など事業に応じた相手の紹介も扱っています。ここでは、決裁者への紹介を依頼する場合の比較候補として取り上げています。Saleshubの公式案内
公式ヘルプには、初期費用50万円・税別と掲載され、別途月額料金と紹介ごとの協力金が必要とされています。適用条件を見積もりで確認してください。初期費用の公式ヘルプ
月額料金などは問い合わせでの確認です。月額料金の公式ヘルプ
また、公式ヘルプでは、商談アポイント完了時の協力金は必須、成約時の協力金は任意とされ、協力金には別途手数料と消費税が適用されます。見積もりでは、商談単価の表示額に何が含まれ、自社が支払う総額はいくらになるかを確認します。協力金の公式説明
取消条件にも目を通してください。Saleshubの利用規約には、面談が行われなかった場合や、予定した人物が出席しなかった場合などのキャンセル規定があります。ただし、これだけで利用企業へ自動返金されるとは判断できません。Saleshub利用規約
さらに、解約申請は次回更新を停止する手続きで、契約途中に利用を止めても支払い済み金額は返金しないと案内されています。少数の面談で試したい場合も、先に固定費の契約期間を確認してください。解約の公式ヘルプ
見積もりは同じ相手・成果地点・契約期間でそろえる
同じ「月に数件会いたい」でも、相手の会社規模や役割、面談の目的が違えば見積もりの前提は変わります。各社へ同じ条件を渡し、できることとできないこと、費用を分けて回答してもらいます。
相手の条件と、費用が発生する面談をそろえる
例えば、「従業員50〜300名の製造業で、生産管理の改善を検討する責任者。自社サービスの説明を聞くことに事前同意した相手」といった形です。これは依頼条件の仮例であり、各社が必ず紹介できるという意味ではありません。
肩書きだけで絞るより、対象課題と判断上の役割を伝える方が、希望に合う相手かを確認できます。次の項目を、見積もり依頼の共通欄に使ってください。
- 対象の業種・企業規模・部署・役職と、確認したい課題を伝えた。
- 情報交換、協業相談、自社サービスの提案のうち、面談目的をそろえた。
- 日程設定・面談完了・受注など、請求が発生する時点を確認した。
- 条件と違う相手、既存商談先、重複紹介、欠席・キャンセルの扱いを確認した。
- 初期費用、月額、面談報酬、成約報酬、手数料、追加支援費の内訳を受け取った。
- 対象に合う候補の有無と、希望件数を見込む前提を確認した。
評価する期間と、支払いを約束する期間を分ける
3か月で効果を確認したくても、契約が12か月なら、3か月分だけで投資判断しないでください。途中で止めても支払いが残る条件なら、最低契約期間の総額を把握したうえで導入を決めます。
見積もりには「最低契約期間に支払う確定額」と「件数に応じて増える額」を分けてもらいます。上限を設けられるか、途中で対象条件やプランを変えられるか、更新を止める期限はいつかも確認します。
例えば「6か月、面談24件、成約報酬を設定する場合は受注1件・2件・4件」で総額を求めれば、条件の違いが見えます。最低契約期間が6か月を超えるサービスでは、未払いで残る契約上の費用も併記してください。
費用対効果は少ない受注件数でも試算する
費用対効果は、同じ期間の総投資と粗利を比べて判断します。粗利とは、売上から案件を提供するための原価や外注費などを引いた利益です。受注金額が大きくても、提供に費用がかかれば、営業投資を回収できる金額は小さくなります。
定額型と固定費・面談課金の併用型を同じ条件で計算する
以下は料金方式の違いを理解するための完全な仮定例です。チラCEOやSaleshubの見積もり、相場、標準的な成約率ではありません。
両案とも契約・評価期間を6か月、実施面談を24件とします。面談準備、面談、提案後の対応に使う自社の時間を合計48時間、社内で置く時間単価を5,000円と仮定すると、自社工数は24万円です。料金は税別で統一し、他の追加料金・成約報酬はない前提です。
6か月の費用 | A案:月額定額 | B案:固定費と面談課金の併用 |
|---|---|---|
初期費用 | 10万円 | 10万円 |
月額の合計 | 10万円×6か月=60万円 | 5万円×6か月=30万円 |
面談課金 | なし | 3万円×24件=72万円 |
サービスへ支払う額 | 70万円 | 112万円 |
自社工数の換算額 | 24万円 | 24万円 |
総投資 | 94万円 | 136万円 |
この例ではB案の月額が半分でも、24件実施したときの総投資はA案を上回ります。一方、面談が6件、自社工数が12時間なら、A案の総投資は76万円、B案は64万円です。定額型は利用が少なくても固定費が残り、併用型は面談数に応じて費用が増える違いが表れます。
実際には、同じ面談数でも相手の適合度や自社工数が違います。まず共通条件で料金構造を比べ、その後にサービスごとの見込件数と負担で計算し直してください。
受注1件・2件・4件で、回収できるかを見る
24件の面談に戻り、そこから得た受注のうち、評価する6か月内に計上できる粗利を1件40万円と仮定します。面談数だけでは回収は決まらず、受注件数によって次のように変わります。
6か月内の受注件数 | 粗利の合計 | A案の投資を差し引いた額 | B案の投資を差し引いた額 |
|---|---|---|---|
1件 | 40万円 | −54万円 | −96万円 |
2件 | 80万円 | −14万円 | −56万円 |
4件 | 160万円 | +66万円 | +24万円 |
1件あたりの粗利を同じ40万円で置けば、A案は3件、B案は4件の受注が回収に必要です。「商談を24件作れそう」だけでなく、自社の営業実績と比べて、必要件数の受注まで進む見通しがあるかを検討します。過去の比較可能な実績がなければ、1件・2件にとどまる場合の負担を受け入れられるかも判断材料にします。
継続契約では、受注月によって評価期間内に得られる粗利が変わります。6か月目に開始した月額契約へ、将来12か月分の粗利を足して「回収済み」としないでください。未確定の将来分を使う予測は、期間内の実績と分けて管理します。
自社工数についても、粗利の計算ですでに引いた人件費や外注費を、総投資へもう一度加えないようにします。また、この比較で金額上の回収が見込めても、入金前にサービス料の支払いが来る場合は、その間の資金を別に確保する必要があります。
導入後は面談の質と、止まっている工程を確認する
面談数、条件に合う商談数、提案数、受注数、粗利を分けて記録します。例えば、24件のうち対象課題が合う商談が少なければ、紹介条件や利用する相手の範囲を見直します。提案までは進むのに受注しない場合は、自社の提案や条件、相手の導入時期を確認します。
対象顧客が決まり、提案を担う人がいて、少数受注時の負担も含めて予算を持てる会社には、導入を検討する余地があります。反対に、誰に売るかが曖昧、面談後の対応ができない、回収に必要な受注件数が自社実績から大きく離れる場合は、契約条件か営業の準備を先に見直します。
商談を増やす投資と、紹介ルートを育てる投資を分ける
ここまでの費用比較で考えてきたのは、主に顧客候補との接点・商談を増やすための投資です。継続して案件を紹介してくれる企業との関係を作る投資は、相手も成果までの工程も変わります。
SparkLaboは、紹介・協業できるパートナー候補を探し、紹介の仕組みや共同施策を設計・運用するサービスです。毎月2〜5社のパートナー候補紹介を目安に、候補との接点を計画的に増やせます。この数は顧客商談数ではありません。候補と協業を進め、その先で相談・商談・受注を作る取り組みです。
2026年7月時点の基本プランは月額5万円・初期費用5万円(いずれも税別)、契約期間12か月、月払いは10%加算です。候補探索・紹介、施策の企画・運営、毎月の振り返りなどを含みます。1商談あたりの供給価格へ単純換算せず、紹介ルートを運用する支援として比較してください。
自社でも紹介ルートを作りたい場合は、SparkLaboの支援範囲と自社の役割と、料金・契約条件を合わせて確認できます。顧客への商談・提案・契約は自社で担う前提で、会いたい顧客像と現在の営業経路から、どんな協業相手を増やすかを考えます。
