いい交流会と悪い交流会の見分け方|費用でも規模でもなく「誰が集まっているか」で決まる

いくつか回ってみたが、成果が出ない。会費も規模も開催頻度も違う会を比べたはずなのに、結果が変わらない。

目次
交流会の会場で周囲を見渡す経営者

いくつか回ってみたが、成果が出ない。会費も規模も開催頻度も違う会を比べたはずなのに、結果が変わらない。

そうなるのは、比べている軸がそもそも間違っているからです。

本記事では、交流会を見分ける5つの軸と、参加前・当日・参加後に確認すべきことを整理します。根拠にしているのは、一般論ではなく、実際に成果を出している経営者3名への取材です。

本記事の要点は次のとおりです。

  • 費用・規模・頻度は、成果とほとんど相関しない
  • 取材した3人の経営者は、全員が「人」と「文化」を選定理由に挙げた
  • 見分ける軸は5つ。最後に効くのは運営者の考え方
  • 「いいやつが集まっている」は精神論ではなく、相互紹介が成立する条件そのもの

費用・規模・頻度で選ぶと外れる

結論:この3つは、成果と相関しません。

比較記事の多くは、会費がいくらか、何名規模か、月に何回開催されるかで並べています。判断材料としては分かりやすい。ただ、この3つで選んだ結果として「行ってみたが何も起きなかった」が起きます。

安い会でも協業が生まれることがあり、高い会でも名刺が増えるだけで終わることがあります。開催頻度が高いことは、単に同じことを繰り返す回数が多いだけかもしれません。

理由は単純で、交流会の成果は、そこに誰がいるかで決まるからです。費用も規模も頻度も、そこにいる人の質を直接には表していません。

3人の経営者に聞いたら、全員が同じことを言った

経営者コミュニティSparkLaboの会員3名に取材し、「一言で言うと何か」を聞きました。業種も年商規模も異なる3人です。

3人の回答:場所/コミュニティ/いいやつ

財務・資金調達コンサルティング会社 代表

ビジネス機会を創出してくれる場所。リード獲得っていう感じじゃない

経営コンサルティング会社 代表

人に良いことをして、良い関係を長く続けていくコミュニティ

事業開発・DX支援会社 代表

いいやつ

3人とも、費用にも規模にも頻度にも触れませんでした。制度でも仕組みでもなく、そこにいる人と、そこにある文化を答えています。

これは示唆的です。実際に成果を出している人ほど、機能ではないところを見ている。見分けるべき軸は、ここにあります。

いい交流会を見分ける5つの軸

1. 誰が集まっているか

参加者の年商規模・役職・事業形態を確認します。決裁権のない担当者同士の会話は、社内検討の段階で止まります。

年商規模によって、経営者が抱える課題はまったく違います。採用に悩む段階、組織を作る段階、次の事業を探す段階。自社の強みが効く層がそこにいなければ、会話は噛み合いません。

事業開発・DX支援会社の代表は、自社が探している相手をこう定義していました。

うちが探したいのって、「新規事業を立ち上げたい」かつ「それなりの顧客をすでに持っている」会社なんですよ。これがなかなか見つからない。

ここまで具体的に定義していれば、その層がいる会かどうかは参加前に確認できます。

2. 出口が設計されているか

一度会った後、個別の商談や相互紹介へ進む導線があるかを見ます。

広い会場に集まって自由に話して解散する形式では、互いの事業を深く理解するところまで届きません。運営側が個別の場を用意するのか、それとも参加者の自助努力に任されているのか。ここが分かれ目です。

3. 間に人が入るか

当事者同士の直接のやり取りには、警戒感という壁があります。間に第三者が入ると、その壁が下がります。

財務・資金調達コンサルティング会社の代表は、この効果をこう表現しています。

間に人が入ってるんで、それが結構大きい。間に一人入るだけでも、全然壁の高さが変わってくる。

同じ方によれば、引き合わせを担当する人が互いに別々でも、その間で連携が取れていれば機能するといいます。誰かが事前に相性を見ているかどうかが効いています。

4. 継続の仕組みがあるか

協業は、初対面で決まるものではありません。会った後に2度目、3度目が自然に生まれる構造があるかどうかです。

2度目まして、3度目ましてが増えてくると、より深い話になってくる。一回1対1しましたよねとなるだけでも、壁が一個取れる。

月1回の定例、少人数の分科会、担当者との振り返り。形式は問いませんが、接触が自然に続く設計があるかを確認してください。

5. 運営者の考え方

5つのうち、最後に効くのがここです。そして、料金表には絶対に書かれていません。

経営コンサルティング会社の代表は、自身のコミュニティの選び方をこう語っています。

どんな会社でも、ファウンダーの色が絶対に出るじゃないですか。だから、ファウンダーのことを好きになれるかどうかが、僕の中ではめちゃくちゃ重要なんです。

損得で考える人の周りには損得が集まる。愛で関わる人の周りには、愛で関わる人が集まる。

この方はコミュニティを自ら運営してもいます。そのうえで「客数より客質が大事」とも述べていました。

主宰者の考え方は、集まる人の質にそのまま出る。だから運営者を見れば、参加者の傾向がある程度読めます。

「いいやつが集まっている」とはどういう状態か

落ち着いて対話する3人の経営者

ここで、抽象的な話に逃げないでおきます。「いいやつ」は精神論ではなく、定義できます。

事業開発・DX支援会社の代表は、こう定義していました。

プライベートで、友達が崖で滑って落ちそうになっているときに、自分も死ぬかもしれない状態で助けられる人ですね。

普通の人だったら「足場が危ないかもしれない」と思う場面で、それでも行動できるかどうか。そこが判断基準です。

そのうえで、ビジネスの場ではこう線を引いています。

もちろんビジネス上では、取引先に対して命はかけられません。なので、プライベートでの関係性の延長線より少し手前くらいのレベルで「いいやつ」を定義しています。

なぜこれが成果に直結するのか

相互紹介は、信頼の上にしか成立しないからです。

自分の顧客を誰かに紹介するということは、その相手の仕事の質に自分の信用を賭けるということです。相手が雑な仕事をすれば、紹介した側の信用が傷つきます。だから、先に与える姿勢のない人には、誰も紹介を出しません。

経営コンサルティング会社の代表は、この点をこう説明しています。

ほとんどのコミュニティは、ゼロサムゲームをやっているんですよ。誰かが勝って、誰かが負ける。

誰かに良いことをやって、それが循環して、良い関係を長く続けて、共に成長していく。そういうコミュニティが素晴らしいと思います。

紹介が循環する場と、奪い合いになる場。この違いは、参加者の性質から生まれます。

悪い交流会に共通する3つの構造

特定の会の話ではありません。成果が出にくい会に共通する構造の話です。

1. 出口がない

その場で完結し、次につながる設計がない。会場では盛り上がるのに、翌週には何も残っていない。運営側が「出会いの提供」までを役割と定義している場合、ここで止まります。

2. 層が揃っていない

決裁権のある人とない人、経営者と営業担当者が混在している。悪いことではありませんが、経営判断が必要な協業の話は、この状態では進みません。

3. 先に奪う人が多い

売り込みが先に来る。名刺を渡した次の瞬間に提案が始まる。こうした参加者の比率が高い会では、誰もが警戒して本音を出さなくなります。

逆に言えば、いい会はこの反対です。財務・資金調達コンサルティング会社の代表は、参加者の傾向をこう述べています。

がっつりリードを獲得したいから入ってきている、という人はそんなに多くない印象です。

お互いの共通点を探したり、一緒にできることを考えたり。そういう話になることが、1対1の場で多かったですね。

参加前・当日・参加後のチェックリスト

参加前

誰が来るのかを確認したか(年商規模・役職・事業形態) 会いたい相手を3業種まで絞り込んだか その会に出口の設計があるかを確認したか

当日

手当たり次第に話していないか 自社の売り込みから始めていないか 次に会う約束を取ったか

参加後

1週間以内に連絡したか 自分から先に紹介を出したか 月1回、接点を見直しているか

参加後の3つがいちばん差になります。前出の代表が「2度目まして、3度目ましてが増えてくると、より深い話になってくる」と述べたとおり、成果は初回ではなく2回目以降に生まれます。

見分けた先にあるもの

いい交流会を見分ける目的は、交流会に満足することではありません。協業先を得ることです。

経営者が本当に必要としているのは、出会いの数ではなく、互いの顧客に価値を提供し合える相手です。相互紹介が継続して起きる状態、つまりパートナーセールスの仕組みをつくること。交流会は、そこへ至る手段にすぎません。

事業開発・DX支援会社の代表は、その難しさをこう表現していました。

うち、パートナーを見つけるのって2ヶ月に1本見つかればいい方なんですよ。

2ヶ月に1本。だからこそ、どの場に時間を使うかの判断が効きます。

参考:本記事で取材した会員が所属するコミュニティ

本記事の取材に協力いただいた3名は、株式会社SparkNowが運営するSparkLaboの会員です。以下は公開されている事実です。

提供企業

株式会社SparkNow

費用

月額5万円(パートナーセールス支援+B2Bメルマガ代行の1プラン)

形式

会員一人ひとりに専属コンサルタント。月1回30〜60分の定例で繋がりたい相手を聞き取り、1対1で引き合わせる

規模

オフラインの会は20〜30名規模。オンライン定例会も同時開催

会員層

年商3億〜20億円規模のBtoB企業経営者が中心

サイト

https://www.sparknow.co.jp/

まとめ

交流会を見分ける軸は5つです。

  1. 誰が集まっているか
  2. 出口が設計されているか
  3. 間に人が入るか
  4. 継続の仕組みがあるか
  5. 運営者の考え方

費用でも規模でも頻度でもありません。実際に成果を出している3人の経営者は、全員が「人」と「文化」を選定理由に挙げました。

相互紹介は信頼の上にしか成立しない。だから、そこに誰がいるかがすべてを決めます。料金表に書かれていないこの部分を、参加前にどれだけ確認できるか。それが、時間を無駄にしないための唯一の方法です。

執筆者

樫根 久澄のプロフィール写真

樫根 久澄

株式会社SparkNow 代表取締役CEO/SparkLabo運営

早稲田大学政治経済学部卒業。双日株式会社でファイナンス業務に従事後、エンジニアに転身し、システム開発会社の海外拠点代表を務める。2022年にオンライン診療スタートアップを創業し、売却を経験。

BtoB事業の顧客開拓のため、30の経営者コミュニティに入会・参加し、経営者交流会には1,000回以上参加。20以上のアポイント獲得サービスを利用し、累計2万枚のデジタル名刺を自ら配布。こうした実践を通じて、出会いを継続的な案件獲得につなげる難しさを実感し、企業同士の紹介・協業を通じたパートナーセールスを支援する「SparkLabo」を立ち上げる。SparkLaboでは、経営者交流会・会食の開催・共催を100回以上重ねている。