Web広告代理店の新規開拓|広告運用の相談・契約を増やすには

Web広告代理店が自社の新規案件を増やすために、新規出稿・媒体追加・運用引き継ぎの相談場面、制作会社や他代理店との協業、契約前の確認事項を解説。継続的な紹介の作り方と、月額契約につながった支援企業の事例も紹介します。

目次

広告運用の実績はあるのに、自社への相談は増えない。提案まで進んでも運用手数料で比較され、紹介が来ても得意媒体や予算が合わない。Web広告代理店の新規開拓では、接点を増やすことに加えて、どの広告相談なら契約につながるかを明確にする必要があります。

この記事の結論

Web広告代理店の新規開拓では、新規出稿・媒体追加・運用引き継ぎのうち、自社が力を発揮できる相談を決めます。その相談を先に受ける制作会社や得意分野の異なる広告代理店と接点を作り、広告媒体・予算・開始時期・担当範囲を確かめて提案へ進めます。紹介元へ結果と次に受けたい案件を返すことで、継続的に声がかかる関係を育てられます。

この記事では、広告運用を受託する会社の営業を扱います。広告媒体とは、検索広告やSNS広告などを配信する先のことです。媒体の操作方法ではなく、運用の相談が生まれる場面から、協業相手への打診、提案、継続的な紹介までを整理します。

Web広告代理店の新規開拓は、広告運用が必要になる3つの場面から始める

「広告を運用します」だけでは、見込み客も紹介元も、いつ声をかければよいか分かりません。この記事では実務上、相談の入口を新規出稿・媒体追加・運用引き継ぎに分けます。同じ媒体でも、入口によって相手の不安と提案すべき内容が変わるためです。

相談の場面

相手が困っていることの例

最初に聞くこと

提案の入口

新規出稿

新商品を出すが、広告での集客を始められない

売りたい商品、開始時期、使える予算

最初に試す媒体と、出稿までに必要な準備

媒体追加

検索広告は続けながら、SNS広告などにも広げたい

追加する目的、既存媒体の役割、追加予算

新しい媒体で担当する範囲と評価方法

運用引き継ぎ

担当者の退職や体制変更で、今の運用を続けにくい

引き継ぐ理由、現在の契約、管理状況、希望日

引き受けられる範囲と切り替えまでの段取り

まずは、過去の受注から自社が対応しやすい入口を一つ選びます。例えば検索広告に強い会社なら、「初めて広告を出す法人向けサービス」なのか、「すでに検索広告を出していて運用担当を探す企業」なのかを分けます。対象業種だけでなく、対応できる広告予算帯や開始までの余裕も合わせて考えましょう。

決めた相談場面は、既存顧客への連絡、直接営業、自社サイトの事例紹介にも使えます。実績を載せるときも、改善率だけでなく「どんな状態から、何を引き受けたか」を示すと、相手が自社の状況と重ねやすくなります。営業手法全般の選び方は、マーケティング支援会社の新規開拓で補足しています。

広告案件の相談が生まれる企業と、得意分野を補い合う

紹介元の候補は、顧客から出稿や集客の相談を先に受ける企業です。業種が同じというだけで選ばず、「相手が引き受けにくい仕事を、自社が担当できるか」を確かめます。以下は協業の組み立て方を示す想定例です。

新規出稿なら、制作後の集客を任せたいWeb制作会社

例えば、商品紹介ページの制作を終えた顧客から「公開後に広告を出したい」と相談された制作会社です。制作会社が広告運用を提供していなければ、自社が出稿の準備と運用を担当できます。

広告から訪れた人に商品やサービスを説明するページを、LPと呼びます。制作会社にはLPの修正、広告代理店には配信と改善を任せるなど、広告を始めた後の役割も決めます。制作会社にとっても、公開後の集客相談に応えられ、必要なページ改善の仕事につなげられる関係です。

媒体追加なら、得意媒体の異なる広告代理店

広告代理店同士でも、補える範囲があれば協業できます。例えば、検索広告を中心に支援している会社が、顧客から動画広告も依頼された場面です。自社が動画広告に強ければ、既存の検索広告を続けたまま、追加媒体を担当する提案ができます。

ただし、顧客を紹介してもらって直接契約する形と、相手の代理店から運用業務を受託する形では、商談の相手と責任が変わります。打診時に、誰が顧客と話すか、見積もりと契約は誰が出すかをそろえておきましょう。紹介料や委託費が発生する場合は、その条件も先に決めます。

運用引き継ぎなら、顧客の集客体制を把握している支援会社

サイトの保守会社や、検索からの集客を支援するSEO会社などは、顧客から担当者の退職や広告運用の負担について相談される相手になり得ます。広告運用を担っていない会社なら、継続して運用できる相手を紹介する余地があります。

ここでは「広告の成果が悪い会社を紹介してほしい」よりも、「担当者の退職などで、今の配信を引き継ぐ先を探している企業を支援できる」の方が、紹介する場面が具体的です。成果の改善が相談理由の場合は、運用以外にも商品やLPなどの要因があるため、引き受ける前に状況を確認します。

この文例は想定です。自社の実績に合う商材・媒体・相談場面に置き換え、対応しやすい広告予算の範囲も添えると、紹介元が判断しやすくなります。

広告運用の相談を契約へ進めるために、出稿条件と引き受ける範囲をそろえる

紹介された後は、すぐに運用手数料の見積もりを送るのではなく、何を実現する相談なのかを顧客と確認します。紹介元がすべての情報を集める必要はありません。顧客が話をすることに同意したら、自社が直接聞く場を作ります。

どの相談でも、広告費と運用の前提を確認する

  • 広告で増やしたいものは、購入・問い合わせ・来店などのどれか。
  • 対象の商品・サービス、配信したい地域、媒体は何か。
  • 媒体へ支払う広告費と、自社への運用手数料・制作費に、どれだけ予算を使えるか。
  • 広告素材とLPはそろっているか。追加制作や修正を誰が担当するか。
  • 問い合わせや購入を数える計測の仕組みはあるか。誰が設定・確認を担当するか。
  • いつ始めたいか。誰が予算・素材・契約を承認するか。

これらが未定なら、未定の箇所と決める担当を明確にします。例えば広告費だけが決まっていて素材がなければ、制作費と納期を含めて相談します。既存の運用データを見られる場合は、顧客の同意と適切な権限のもとで確認し、運用開始後に何を、いつ評価するかまで提案に含めます。

媒体追加では、既存運用との役割を分ける

追加媒体の相談では、既存媒体と同じ目標をそのまま当てはめず、何を補うための出稿かを確認します。例えば、新しい商品を知ってもらう目的と、今すぐ問い合わせを増やす目的では、素材も評価の仕方も変わります。

既存代理店が担当する媒体、自社が担当する媒体、LPを修正する会社を明確にします。追加費用を使うのか、現在の広告費から配分を変えるのかも顧客と合意しておくと、提案の前提がそろいます。

運用引き継ぎでは、配信を続けられる条件を先に確かめる

引き継ぎは「来月から運用できます」だけでは決まりません。現在の契約終了日、広告アカウントの管理者、請求の担当、素材や過去の運用データを利用できる範囲を確認します。顧客と現在の担当会社の合意に基づき、共有できる情報から受け取ります。

そのうえで、管理権限・計測・素材を確認する日、運用担当を切り替える日、切り替え後の確認担当を決めます。確認前に、配信を止めずに引き継げることや、成果の改善率を約束することは避けましょう。必要な条件が分かれば、提案を「手数料はいくらか」から「どこまで安心して任せられるか」へ広げられます。

紹介元が次の広告相談を思い出せるように、結果と受け入れ条件を返す

紹介を繰り返してもらうには、相手が「次はどんな相談を渡せばよいか」を判断できる状態にします。名刺交換後の近況連絡に、受けたい媒体や相談場面を含めることが大切です。

  1. 紹介を受けたら、顧客へ連絡する予定を紹介元に伝える。
  2. 顧客と共有範囲を確認し、商談や契約の結果を紹介元へ返す。合わなかった場合は、予算帯・媒体・時期など次の紹介に役立つ理由を伝える。
  3. 自社の対応媒体や受け入れ状況が変わったときは、「今はこの相談を受けられる」と具体的に連絡する。
  4. 定期的に、どの紹介元から、どの相談が来て、どこまで進んだかを振り返る。

例えば、媒体追加の相談は来るのに商談へ進まないなら、紹介時点で追加予算があるか聞けているかを見直します。商談はできても契約に至らないなら、素材制作の負担や開始時期のずれがなかったかを確かめます。紹介件数だけでなく、得意な条件の相談が来ているか、提案まで進めているかを見ることで、改善する箇所が分かります。

協業経由で月額30万円の契約を獲得したマーケティング支援企業の事例

SparkLaboの導入事例には、競合が多く、価格比較になりやすいことに悩んでいたマーケティング支援企業があります。新しい流入経路を作るため、Web制作・システム開発会社、補助金や営業の支援会社、ネット通販を意味するEC・美容・小売領域との接点を持つ相手との協業を提案しました。

その結果、3か月以内に月額30万円の契約を1件獲得しました。これはマーケティング支援企業の実際の契約実績です。

Web広告代理店がこの事例から参考にできるのは、自社へ相談をつなぐ相手を増やし、価格比較だけに頼らない入口を作るという考え方です。制作会社や得意媒体の異なる代理店との協業例で見たように、自社の仕事を必要とする相談を持っている相手との補完関係が、開拓先を考える手がかりになります。

Web広告代理店が組む相手を、SparkLaboで見つける

制作会社や他の広告代理店と組みたいと思っても、候補探し、打診、紹介後のフォローまで代表一人で進めるのは負担になります。SparkLaboは、紹介や協業による案件獲得を、偶然に任せず続けられる仕組みにするサービスです。

SparkLaboには幅広い業種の会員が参加しており、Web広告代理店が組む紹介・協業相手もいます。 制作後の集客を担う相手や、得意領域を補い合う相手を探すところから相談できます。5,000社以上との直接接点も土台にして、自社の知人の範囲を越えた候補を探せます。

参加後は、自社の得意媒体や受けたい広告案件をコンサルタントと整理し、相性のよい相手との接点を作ります。パートナー候補の紹介は、毎月2〜5社が目安です。ここでつながるのは、顧客を紹介し合ったり、一緒に提案したりする協業相手の候補です。

接点を作った後も、紹介などの施策の企画・運営と、月次の振り返り・改善を支援します。「どんな広告相談をつないでほしいかを相手に伝え、実際に来た相談から次の動きを見直す」活動を、一緒に進められます。支援の全体像は、SparkLaboで依頼できることでも確認できます。

受けたい案件や組みたい相手が、まだ言葉になっていなくても大丈夫です。「新規の広告運用契約を増やしたい」という今の悩みから、進め方を考えられます。

執筆者

樫根 久澄のプロフィール写真

樫根 久澄

株式会社SparkNow 代表取締役CEO/SparkLabo運営

早稲田大学政治経済学部卒業。双日株式会社でファイナンス業務に従事後、エンジニアに転身し、システム開発会社の海外拠点代表を務める。2022年にオンライン診療スタートアップを創業し、売却を経験。

BtoB事業の顧客開拓のため、30の経営者コミュニティに入会・参加し、経営者交流会には1,000回以上参加。20以上のアポイント獲得サービスを利用し、累計2万枚のデジタル名刺を自ら配布。こうした実践を通じて、出会いを継続的な案件獲得につなげる難しさを実感し、企業同士の紹介・協業を通じたパートナーセールスを支援する「SparkLabo」を立ち上げる。SparkLaboでは、経営者交流会・会食の開催・共催を100回以上重ねている。