顧客の広告運用や集客は支援できるのに、自社の新規案件は代表の知人や既存顧客に頼っている。営業をしても「すでにお願いしている会社がある」と断られ、紹介もいつ来るか分からない。そんな状態を変えるには、自社の支援が必要になる場面に、継続して接点を作る必要があります。
この記事の結論
マーケティング支援会社の新規開拓は、得意な支援と顧客の課題が合う場面を決め、その相談が生まれる企業や紹介元との接点を増やすことから始めます。既存接点・直接営業・情報発信・紹介を自社の体制に合わせて選び、提案時に目的・予算・担当範囲をそろえ、結果を紹介元へ返す運用を続けることで、次の案件につながる関係を育てられます。
この記事は、広告・SEO・サイト改善・BtoB集客などを提供する会社が、自社の案件を増やすための解説です。具体的な協業の組み立て方と、実際に契約を獲得した導入事例を紹介します。
マーケティング支援会社の新規開拓は、相談が生まれる場面から組み立てる
提供メニューを、顧客が困っている場面へ置き換える
「広告もSEOもできます」という説明だけでは、相手はいつ相談すればよいか判断できません。「誰が、何に困ったとき、どこまで支援できるか」まで伝えると、営業先にも紹介者にも、自社に相談する理由が生まれます。
例えば、広告運用とサイト改善が得意なら、「ECサイトを開設したものの、購入につながる集客ができていない企業」が一つの対象になります。SEO、つまり検索経由で見つけてもらいやすくする支援が得意なら、「サイトをリニューアルしたが、見込み客が知りたい情報を継続して発信できていない企業」と整理できます。
最初は、過去に成果を出せた案件から一つ選びましょう。業種だけでなく、支援前に何が起きていたか、どの課題を自社が解決したかを振り返ります。ここで決めるのは、会社全体の提供サービスを狭めることではなく、新規営業の入口にする相談場面です。
顧客の変化を起点に、接点づくりから振り返りまで進める
新商品発売、新規事業の立ち上げ、ECサイト開設、営業体制の拡大などは、今の集客方法を見直すきっかけになります。同じ企業でも、事業に変化がない時期と、新しい売り先が必要な時期では、相談したい内容が変わります。
この記事では実務上、次の順序で新規開拓を組み立てます。
- 得意な支援が役立つ「顧客の変化」と「困りごと」を一つ選ぶ。
- その企業へ直接接点を作る方法と、先に相談を受けている紹介元候補を探す。
- 顧客に話を聞き、目的・予算・既存の支援会社との担当範囲をそろえて提案する。
- 商談や提案の結果を記録し、狙う相談場面と紹介元への伝え方を見直す。
新事業の発表を見つけても、すぐに広告の需要があるとは限りません。直接営業なら「新事業でどのように顧客を増やす予定か」を聞き、紹介を頼むなら「その相談を受ける機会があるか」を確かめます。公開情報は、話を聞くきっかけとして使います。
自社の営業体制に合う案件獲得方法を選ぶ
今ある接点と、新しく育てる接点を組み合わせる
すべての方法を同時に増やすと、顧客支援に追われたときに自社の営業が止まりがちです。まず、自社が狙う相談場面に届き、担当者が動き続けられる方法を選びます。
獲得方法 | 優先しやすい状況 | 最初に行うこと | 続けるために必要なこと |
|---|---|---|---|
過去の相談先・既存顧客からの紹介 | 接点はあるが、案件が終わった後の連絡が途切れている | 近況を聞き、以前の課題や事業の変化を確認する | 相手ごとの状況を残し、次の連絡理由を作る |
対象を絞った直接営業 | 得意な業種や、支援が必要になる変化が明確 | 新商品・新事業などの公開情報から相談仮説を作る | 個別の調査、連絡、商談後のフォローを担う |
自社サイト・記事・セミナーなど | 得意な課題を説明できる事例や知見がある | 対象顧客の疑問に答え、支援内容と相談先を示す | 発信と改善を続け、問い合わせへ対応する |
紹介・協業先の開拓 | 顧客層が重なり、提供業務を補える会社がある | どんな相談を受け、どの業務まで対応するかを聞く | 案件の進捗共有と、相手にも役立つ関係づくり |
例えば、代表が営業を兼務し、過去の相談先が残っているなら、まず再接点を作る活動から着手できます。そのうえで、今後も同じ相談に接する協業先を開拓すれば、手元の接点を活かしながら新しい入口を育てられます。
問い合わせ対応や広告の改善を担える体制があれば、自社への広告集客も候補です。その場合は、顧客の広告予算と自社の新規開拓予算を分け、獲得した案件の利益に対して費用が合うかを確認します。どの手段でも、問い合わせ数だけでなく、得意な支援に合う相談が来ているかを見ます。
自社サイトには、相談する判断に必要な実績を載せる
紹介された企業も、商談前に自社サイトや事例資料を確認できます。そのときに、売上やアクセスの伸びだけが載っていても、自分に合う支援かは判断しにくいものです。
事例では、顧客の課題、自社が担当した範囲、実施期間、確認できた変化を一組で示します。広告だけを担当したのか、広告の遷移先ページも改善したのかで、相談してほしい案件は変わるからです。顧客の許可を得た範囲で、施策と結果の関係が分かる情報を載せましょう。
まだ公開できる実績が少ない場合は、得意な課題に対して何を調べ、どのように改善案を出すかを説明します。成果の数値を公開できなくても、相談後の進め方は伝えられます。どんな支援が受けられるかが分かるページを整え、直接営業や紹介時にも共有します。
紹介・協業先は、顧客の困りごとと役割分担から探す
紹介・協業のパートナーとは、顧客を紹介し合ったり、それぞれの得意分野を組み合わせて支援したりする企業です。候補を選ぶ際は、同じ顧客層と接していて、自社が受けたい相談を聞く機会があるかを確認します。
以下の3つは、協業を考えるための想定例です。実際の導入事例は後半で紹介します。
広告運用・LP改善なら、ECサイトを立ち上げる会社との協業
ECサイトの構築会社は、開設後に「どうやってお客様を呼び込むか」という相談を受ける可能性があります。その会社が広告運用に対応していなければ、集客を担う会社との協業を考えられます。
構築会社が商品登録や購入機能を担当し、マーケティング支援会社が広告と、その遷移先であるLPの改善を担当する形です。LPは、商品購入や問い合わせなどの行動を促すページを指します。購入機能の修正が必要になった場合は構築会社へ戻すなど、作業の境界を決めます。
構築会社にとっても、公開後の集客相談に応える選択肢が増えます。打診するときは、相手の顧客にどのような追加支援ができるかを伝えましょう。
相手が広告も扱っている場合は、対応が足りないと決めつけず、得意な商材や受注余力を聞きます。補い合う範囲が見つからなければ、その相手への紹介依頼を急ぐ必要はありません。
SEO・コンテンツ支援なら、Web制作会社との協業
企業サイトの公開後に、サービスの選び方や導入前の疑問へ答える記事が必要になることがあります。制作会社が継続的な企画・取材・記事制作を提供していなければ、コンテンツ支援会社がその部分を担えます。
この場合、先に確かめたいのは、サイトの見た目を変えることが目的だったのか、問い合わせを増やす目的もあったのかです。集客の課題があり、顧客側から商品知識や事例を提供してもらえるなら、検索する見込み客の疑問に答える企画を提案できます。
制作会社はサイトの構造や改修、支援会社は記事の企画と制作、といった分担を置きます。記事の本数を売る前に、どの顧客の検討を助け、どのサービスへの相談につなげるかを共有すると、両社の提案を合わせやすくなります。
BtoBのリード獲得支援なら、営業支援会社との協業
リードとは、問い合わせや資料請求などで接点ができた見込み客です。法人営業を支援する会社が、商談の進め方を改善しても、そもそも話をする見込み客が足りないという課題に接することがあります。
そこで、広告・記事・セミナーなどによる見込み客との接点づくりをマーケティング支援会社が担い、その後の連絡や商談を営業支援会社が担う協業が考えられます。
ただし、資料請求があっただけでは、すぐに発注を検討しているとは限りません。対象業種、企業規模、相談内容など、営業側が対応したい見込み客の条件をそろえます。商談後の情報も共有し、集める相手と伝える内容を調整できる関係にします。
複数社で提案する際は、顧客への窓口、各社の提案範囲、次回連絡の担当を先に決めます。進行の詳細は、BtoBの共同営業を進める方法でも整理しています。
相談を案件に変えるには、提案前に目的・予算・担当範囲をそろえる
既存の支援会社がいるときは、未対応の課題を確かめる
「すでに代理店がいる」と言われたら、現在の支援で解決できていることと、これから取り組みたいことを聞きます。顧客が今の体制に満足し、追加の課題もなければ、急いで提案する理由はありません。
一方、広告運用は委託していても、新商品のページ改善や、商談につながる記事の制作まで依頼しているとは限りません。未対応の課題が見つかれば、既存の支援会社の仕事と重ならない範囲で追加支援を提案できます。
例えば、広告から問い合わせは来るものの、対象外の相談が多い場合です。広告の配信設定だけでなく、ページ上の対象顧客や提供条件の説明を見直す余地があります。自社がページ改善を担うなら、広告担当者から必要な情報を受け取れるか、変更の合意をどう取るかも確認します。
顧客が望む改善と、実際に自社が動かせる範囲をそろえることが提案の出発点です。既存の担当範囲と重なる場合は、顧客を交えて分担を決めてから見積もります。
広告費と支援費、確認できるデータを分ける
マーケティング支援では、「集客の予算」が広告媒体へ払う費用だけを指していることがあります。運用費、制作費、分析や改善の費用を分け、顧客が想定している総額とすり合わせます。
また、売上まで確認するのか、問い合わせまでを確認するのかで、必要なデータが変わります。広告の管理画面だけを見られても、問い合わせ後に受注したかは分からないことがあります。成果を説明するために、顧客や営業担当から何を共有してもらうかを決めます。
提案前には、次を確認しておくと仕事の範囲を合わせやすくなります。
- 何を増やしたいのか、いつまでに何を判断したいのかが共有されている
- 現在の施策、既存の支援会社、自社が担当する範囲が分かっている
- 広告媒体費・運用費・制作費などを分け、総額を確認している
- 必要な管理画面や売上・商談の情報を、誰から共有してもらうか決まっている
- 顧客側の実務担当者、施策や予算を決める人、確認に要する時間が分かっている
- 最初に行う作業、振り返りの時期、継続や追加対応を判断する条件が決まっている
初回から大きな継続契約にまとまらない場合は、課題整理や一部ページの改善など、判断材料を作る仕事から始める方法もあります。その際も、今回の成果物と、その後の運用を別々に見積もり、どの結果を見て継続を検討するかを共有します。
SNS運用が主な支援内容なら、素材の受け渡しや撮影、投稿確認などの条件も案件の継続に関わります。その具体策は、SNS運用代行の案件獲得方法で扱っています。
紹介を繰り返し生むために、案件の結果を次の接点へ戻す
紹介された案件の進捗と、合わなかった理由を共有する
紹介者は、自分の顧客を安心して任せられるかを気にします。紹介してもその後が分からなければ、次も声をかけてよいか判断できません。顧客と共有範囲を決めたうえで、面談の実施、提案の有無、次の対応を紹介元へ伝えます。
受注に至らなかった場合も、「予算が合わなかった」で終えず、紹介の判断に役立つ条件を返します。例えば、「広告費だけでなく、ページ制作の費用も必要だった」「今回の課題は集客よりも、商品の供給体制にあった」といった整理です。顧客の秘密を伝えなくても、次にどのような相談が合うかは共有できます。
紹介元へ伝える、自社の対応範囲や受けたい相談の情報も更新します。「マーケティング全般を支援」よりも、「EC公開後の集客相談に対応できる」「今は記事企画から運用まで引き受けられる」と伝える方が、相手は相談を思い出しやすくなります。
相談が止まった場所に合わせて、次の動きを変える
紹介を続けるには、連絡する担当者と振り返りの時間を決めます。例えば月に一度、紹介元ごとに、寄せられた相談、商談、提案、受注、止まった理由を確認します。件数だけでなく、どこで進まなくなったかを見ます。
- 相談自体が来ない場合は、相手がその課題に接しているかと、頼み方を見直す。
- 相談は来ても商談にならない場合は、顧客の時期・目的・予算が合っているかを確かめる。
- 提案しても受注しない場合は、担当範囲、費用、成果の判断方法が伝わっているかを確認する。
個別の紹介がすぐに出なくても、協業先の顧客向けに、EC公開後の集客相談会や、法人向けサービスの問い合わせ改善セミナーを一緒に開く方法があります。相手の顧客に役立つテーマを選び、参加後の相談を誰が受けるかまで決めます。
再現性を高めるとは、相談が生まれる接点と、その後の対応を継続できる状態にすることです。 初回の紹介だけを成果として終えず、結果から相手の選び方と働きかけを改善していきます。
マーケティング支援会社が紹介・協業で契約を獲得した事例
3か月以内に月額30万円の契約を獲得したマーケティング支援企業
SparkLaboの支援では、マーケティング支援企業が協業経由で、3か月以内に月額30万円の契約を1件獲得した導入事例があります。
この企業は、競合が多く価格比較になりやすいため、新しい流入経路を必要としていました。そこで、Web制作・システム開発会社、補助金・営業支援を行う企業との連携や、EC・美容・小売の領域との接点づくりを提案しました。
価格比較が課題になっている会社にとって、この事例は、自社を必要とする企業へ協業先を通じて接点を作る選択肢を示しています。自社が何を提供できるかに加え、どの会社の顧客支援を補えるかを考える手がかりになります。
2か月で月額8万円の契約を3件獲得した小売マーケティング企業
別のSparkLaboの導入事例では、小売向けのマーケティング企業が、2か月で月額8万円の契約を3件獲得しています。
この企業には、テレアポやDMの反応が低く、商談を増やしにくい課題がありました。士業との連携、小売支援会社との協業、経営者交流会の主催者との接点づくりを提案し、信頼関係を介した商談につなげました。
小売の経営者とすでに接している企業や専門家まで視野を広げると、自社の営業だけでは出会いにくい相談への入口を考えられます。自社でも取り入れるなら、実績の件数だけを目安にするより、得意な顧客と接している紹介元がどこにいるかを確認するところから始めましょう。
自社に合う紹介・協業先の開拓をSparkLaboと進める
顧客支援を続けながら、相性のよい企業を探し、打ち合わせを行い、紹介後の振り返りまで担うのは負担になることがあります。方針を考えても、接点づくりが代表一人の仕事として残ると、忙しい時期に止まってしまいます。
SparkLaboは、紹介営業や協業を、偶然の出会いに任せず仕組みとして進めるサービスです。5,000社以上との直接接点を土台に、自社の得意な支援と相性のよい企業を探し、毎月2〜5社を目安にパートナー候補を紹介します。
候補との接点づくりに加え、紹介・共催などの施策の企画運営、月次の振り返りと改善も支援します。マーケティング支援会社にとっては、顧客対応を続けながら、自社だけでは探しきれない紹介元との関係を育てるために使えます。詳しい内容は、SparkLaboの支援範囲で確認できます。
どの支援を伸ばしたいか、誰と組むとよいかが決まっていなくても相談できます。現在の案件獲得の悩みを伺い、コンサルタントと一緒に、紹介・協業を増やす進め方から整理します。

